『メロンパン』#14

ふと思い出したことがある。高校生のころ、コンビニのメロンパンを食べ比べようと試みたことがあった。
それは、アジフライを好きな食べ物として公言する、少し前のこと。食べ物の選択に関してわたしの趣向は、交錯・衝突するように二つあって、
「珍しいものが目につけばそれを選び挑戦すること」と、
「それなりに好きだと思ったものはいくつかのアプローチで食べ比べて探究心を持つこと」と。
前者は特に説明も不要かと思うが、新商品や期間限定商品を筆頭に目新しいものを選ぼうという関心から来るもの。
後者は前掲したアジフライをはじめ、一人暮らし始めたてで尚且つバンビーノ(イタリアンを題材にした漫画)にハマってペペロンチーノをやたらめったら毎食のように作ったり、最近では毎日や毎週とはいかないがガパオライスにハマったり、まぁ“ある食べ物にハマる”ということ。そのハマったものの一つが、高校時代の一時期、メロンパンであった。
どこのパン屋もスーパーも、そしてコンビニでもだいたい取り扱っている。味も量も、極端に強かったり多かったりはしない。一食においてニュートラルな存在。部活帰りの空腹時、家での晩御飯までの繋ぎとしてひとつ腹に入れておくものとして、甘みと大きさ(ふくらみ)と手軽さがよかったんだと思う。メロンパンの事始めとしては。沢渡のサークルKのメロンパン。しっとり感が強くて、というか水を吸ったかのようなビスケット生地は前歯の裏にまとわりついた。
あの頃のベスト・メロンパンはローソンだった。最も、ニュートラルだった。セブンのは濃厚なバターの香りがあり、近頃の言葉で言えば“バターみが強い”。美味しいのだが強い。ファミマのは香りもほどほどでよかったがサークルK同様ビスケット生地にサクサク感が欲しいところだった。そこでローソンのメロンパンはといえば、バターが濃く出ることなくとてもシンプルに甘い香りがし、ビスケット生地の表面にはザラメのような砂糖が混ぜ込まれてサクサク感とザクザク感が楽しい。中のフワフワ部分は弾力があり「噛む⇄クッション」とでも言い表したくなる気持ち良さがあった。お膝元であったampmのはどうも記憶にないのだが、あの頃はまだファミマ傘下でなかったはずなのでキャラクターが存在していたと思うのだが印象にない。ローソン、ザ・ベスト。
いま、「イチゴジャムをつけてもいいな」「紅茶と合わせてもコーヒーと合わせても、牛乳もいいな」、なんて食べ合わせのイメージが膨らんでしまう。おなかが空いてきた。10年も経てば味も作りも変わってくるか。くるか、メロンパン・リバイバル。

#メロンパン #171229

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