『レベル』#350

ゲームにおいてはポケモンとか、ドラクエとか、キャラクターやプレイヤーを強くしてレベルを上げていくとか、レベルを上げていって冒険を進め最後のボスに挑み、「まったく敵わない」「こんなことがまさか」「勝てる兆しが見えない」と為すすべなく退けられたのち、地道なレベル上げに勤しみ新しい技を習得するなどし、強さと自信を備えてまたボスのものへ出向き「フハハハハ!まだ懲りぬようだな!蹴散らしてくれる!!」と迎え撃つ相手に「今度こそ」と挑む、そんなゲームのようなわかりやすい体験は我々の身体を伴う現実世界でなかなか味わえるものではないけどおよそ近いことはあるから、そうでなかったら「レベル上げ」が地道であることに納得できないよな、メタルスライムは貴重。
こう、書き出したレベルは『レベル』の一側面。核をなす意味は階層や段階的なもの、水平面の位置、それらを表す言葉。
建設関係でならフロアレベルと言えば、建物において基準とする面からの床面の高さを示す。1FL=GL+300、とあれば「一階の床面は、建物が建つ地面の基準面から300ミリメートル高い位置にある」ことを示す。レベル由来の言葉と思われるレベラーという建材があって、コンクリート打設後の天面にわずかに不陸(凹凸)があるときに流す柔らかめのセメント様のもの。セルフレベリング材ともいう、水平面を作る材料。
初めに持ち出した、ゲーム内の強さ、レベルの話、このあいだ喫茶店で面白い話を聞いた。実際には、話自体が面白いのではなくて、その話の構造というか、メタ的に引いた視点で見た状況が面白かった。話自体は、年配のおっちゃんとおばちゃんの2人の間で繰り広げられていて、内容ははポケモンGOについて。おばちゃんがハマっているらしく、ジム戦の話をしたかったのか手持ちのポケモンの強さについて説明をしていた。ポケモンGOではモンスターの強さはCPという値で表されて、トレーナー自身もレベルで評価される仕組み。その値・レベルのことをおっちゃんがさっぱりわからないみたいだった。そのことを説明しようとするおばちゃんは比喩を使う。「このレベル(CP)っていうのが低いと小学生みたいな感じでな、レベル(CP)が高くなると成人になるようなものなの」と。若いポケモンネイティブな私たちからしてみれば、ゲーム中の強さ然り、現実世界での鍛錬然り、「レベルはレベルだ」と、基準なしにレベルを把握している。その、「レベルを説明してくれ」と言われたときにどう自分なら言うのだろう、と聞きながら驚いて、悩んだ。
水平面がなんだと話をすることはないだろうけど、どうするだろうな。
私の語彙力と説明力のレベルが試される。

#レベル #181203

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