『エクセル』#191
シオールと続くあのコーヒーチェーン店ではなくて、表計算ソフトのあの、エクセル。Excelのこと。Microsoft社のアプリケーションで、表計算を主に行う、列と行からなるマス目を駆使した、グリッド!のインターフェース。
あれ、初めて見たときからインターフェースのぱっと見の印象というか、頭に思い描く画面イメージって、ほとんど変わらない。これが、すごいことだよなぁと思うわけです。それは、ワード、Wordにしても、パワーポイント、PowerPointにしてもそうで、言い方はいくらか考えられる、一番初めに作られたインターフェースはいまと変わりない優れた原型・プロトタイプとしてある、と言ってもいいし、数々のアップデートをしてきたなかでもインターフェースは過去を踏襲している、と言ってもいい。演繹的にも帰納的にも、原型と最新型のインターフェースに、戸惑うような変化がないこと。「変わった」「慣れない」という利用者が感じがちなアップデートによる不便をできるだけ解消しようという誠実さだとも言える。ほんと、すごいと思うんだ。アプリケーションではないけど、例えばツイッターではツイートの文字数変化と引用リツイート方法の多様化とか写真投稿枚数制限の変化で、タイムラインの密度、風景が結構変わっている。スクロール方向やデザイン要素は同じにしてあるようには思うけれど、リプライとリツイートとお気に入りで育ってから、その手段の変化には戸惑った。ことばに対する心情の変化(お気に入りからスキのアプデとか特に)で、見え方が全然違う。それは同様にSNSならfacebookにも言えるし、デジタルのアプリケーションとしていえばGoogleマップのインターフェースと操作の変化にはたいへん戸惑って未だに使いこなせている気がしない。
変わらぬ操作性と見た目があって、それでいて便利機能として関数やグラフは拡張しそしてたいへん深い。知識として深く広く、ものすごく使い込みがきく。何かと関数を使いこなせれば求めたい数値と表を得ることができるし、グラフで視覚化するにあたっても直感的に見てわかる形は用意しくれている。
設計していた住宅のコスト調整を行うにあたっても、大枠の金額把握にも細かい数量単位の調整も、同じ平面上でできる。ページを分けてリンクさせることもできてそれはすごいことだと、使いながらに思った。物理的・アナログのノートでは、ページとページの間には自分で意識する以外には自動的に紐づけられるものはない。色を駆使するとか文字組と強調で視認性を高める方法はあるけれど、あるページの内容と数値を変更したものが自動的に別ページの関連項目で自動反映されることは、これぞデジタルと感動する。二次元平面上に、立体、奥行き、拡張的で相互連関するネットワークが三次元的にできあがっている。
ちかごろ仕事中に、ホールスタッフで回る単フロアの各室と建物全体の各層の動きを頭の中で三次元的に動かしているのを、ゲーム的とも言えるけれどもっと相互連関的でもっと馴染みがある何かがあるよなぁとふと思ってコレだってなったのがExcelだった。それだけ。ページがリンクで紐づく奥行き。
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