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名詞/Noun

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2021年8月の記事一覧

『コーヒーゼリー』 #367

小学生のころ、中学生に上がるくらいのころまで、「好きな食べものは?」「コーヒーゼリー」と答えるような期間があった。三個百円、タンカーのような台紙に乗ってて、ベリベリとメタリックなフィルムを剥がして甘さのほとんどないポーションミルクをかけて食べる、あれ。以前に書いたようにアジフライを便宜上で好きな食べ物だと今は言っているけれど、それより前の、小さな子どものころ。コーヒーゼリーが好きだった。今にしてみれば特筆しておいしいものでもないしありがたがるものでもない手軽なデザートだったわ

『特別』 #365

特別、なんて素敵な響きだろう、と、思わせてくださる約30年間に高く美しく積み上げられてきた“意味”、これには頭が上がらない。頭を上げてみたところで、高すぎて眩しすぎて顔を上げることもままならぬ。そんな言葉だ。幸せなのだと思う。特別、という言葉にキラキラとした印象を抱けているこの現状は、このこと自体が特別でなかったとしても、有難いことだと思える。「特別にご用意させていただきました」「この特別な機会に」「あなたには特別に」「特別大特価」、もうなんだっていい、特別ということにスペシ

『六根』 #364

毎日新聞の言葉を扱うTwitterアカウントの投稿で「六根清浄」について、旅にまつわる言葉のひとつとしても書かれていたのを夕方に見て、以前にお世話になっている地元のカレー屋さんとの話で「なんで仏教に関連するものは三とか七とか、多いんだ」ってときがあって、そのときには七については厳密にこれという(全く無いというわけではないけど、というエクスキューズ)答えがなかったけど、三は中道、空観を有と無との関係でおくからかだとかって話をしたなあ、ってことを思い出して、その三について書いてみ

『電気』 #361

はるかな未来に、そのときにも電気が残っていればいいとも思うし、なくなっていればいいとも思える。そんな話。 建築設計を始めてから、無意識にうっかりしたとき以外には徹底して、照明器具のことを「照明」「あかり」と言って「電気」とは言わないようにしている。このこだわりは、少し共有可能なものかもしれないなと思っている。伝達と理解に甘んじない言葉の正確さにこだわるか、というところなのだろうかと思うけど、例えばIHクッキングヒーターをコンロと言わない、とか、燃料電池車や電気自動車の動力源を