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chill in the night, at 09:52 p.m.




ひとしきり動き回った日の夜。新宿南口・甲州街道を眺める。
「ロマンスカーにでも乗って帰るか」
――そんなことを思い浮かべつつ、改札へと足を運ぶ。

PM 09:52


昨日がどうとか、明日がどうとか……
そういうのは、ドアの外に置いてきた。

今はただ、この空間に浸りたい――。

――そして、『奇跡』が音に乗ってやってくる。


街を駆ける主役たちと、追いかける僕たち。
そんなまぶしい日々は、いつまでも続く――


……気が、していた。


次の駅も、次の朝も、来てほしくない。
このまま揺られていたい。この列車に。







朝は来る。どんなに願っていても。
時は進む。列車が、街が、動き続ける限り。


――せめて今だけは。
車内でのひとときをゆっくりと過ごしたい。




解説編へ続く


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