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Children's touchable dream "Fischer's"
フィッシャーズと言う人達を,私はあまり好きではない.
第一に,くだらない.クリエイティブでは無い.遊んでいるだけだ.
だが,我が息子は,どうやら好きらしい.
息子がポケモンをやりつつ,ロード画面の合間にチラチラ見やるタブレットに,フィッシャーズや他の有象無象ユーチューバー達の動画が流れている.
私の世代で言えば,ラジオ流しっぱ...の感覚に近いのかと思う.
再生回数は確かに多い.が,実情はそんな「ながら観」なんだろう.
私に言わせれば,そんなのより,優れた「芸人」を見て欲しい.
アンタッチャブル,バナナマン,サンドウィッチマン...
国語の教科書には載らないだろうが,日本語の可能性を確かに拡げるような,磨き上げられた「話芸」.
私がお金を払い見てたような映像が,YOUTUBEには無料で,豊富に有る.こんな夢のような時代に,何故,あんなハンパな兄ちゃん達の動画を見るのだろうか...
いや,「面白い」と息子は言う.彼ら至高の芸人たちの動画を見せれば.
テレビを見れば,ザキヤマやオードリー春日のギャグで笑っている.
彼らとフィッシャーズの「面白さ」や「芸」の差くらいは,息子も解る筈だ.
ゲームやアニメの面白さが解って,動画だけは違う...そんな事はあるだろうか?
そこが不思議なのだ. 息子が楽しんでいるゲームの面白さは,私と共通である.
今のゲームは,昔,私が楽しんでいたゲームの延長線上にあり,理解可能だ.
息子のswitchを後ろから覗き見ていると,あの,白黒の小さい画面で,あれだけ楽しかった『ポケットモンスター』が,今や,制作費50億...クリエイター500人...正確な数字は解らないが,ハリウッドにも劣らない,膨大な労力とリソースが結集した,超リッチコンテンツとして君臨している.
しかも当時とそう変わらないお値段で...(ここは,ありがとうデフレ,と言おう)
この日本が誇る,グローバルコンテンツが,面白くない筈は無い.
当然,息子もこのゲームに大満足である.
しかし...子供達は,このコンテンツに触れて,「夢」を持つのだろうか?
「ゲームクリエイターになりたい!」と,思うだろうか?
無理だろう.
「オリジナルのポケモンを考えてみたい!」
「 いつかポケモンの主題歌を歌いたい...」
「任天堂に入って,次のポケモンを作るメンバーになりたい...」
そこまでいかずとも,「『ポケんち』に出れたらいいな...」
このコンテンツを通して見れる,「夢」の限界はその程度であろう.
ゲームを作る難しさは,ぶっちゃけ小学生にも理解可能だ.
「ゲームを作りたい!」
残念ながら『ポケットモンスター』は,そんな「夢」を提供するコンテンツでは,もはや,無いという事だ.
ドアドア,と言うゲームが有る.
ドラクエのプログラマーとして有名な,中村光一氏が,高校3年生の時に,キャラデザインを担当した友人と共に,わずか2名でPC版が作られたと言う.
(この動画<ファミコン版>は,当初のPC版より大分クオリティは向上している)
だが...しかし,それでも...手が届きそう.... 作れそう...では無いか?
そんな印象を,当時小学生だった私も抱いていた.
実際作るとしたら,そんな簡単では無いだろうが,そう「思えた」のは事実だ.
...そして,
今一度,フィッシャーズの事を考えて頂きたい.
そう,彼らは背伸びすれば出来そうな事を提示し,「夢」を,見せている.
それも,『ポケットモンスター』のような,アンタッチャブルな夢では無く,「手が届く夢」を.
昭和61年,小学2年生の私が,同級生たちと一緒に校庭で遊んでいた頃,颯爽と校舎より登場する「6年生」は,遊びの達人に見えた.
ジャングルジムの屋上に立つと言う蛮勇.
届く筈の無い距離に配置されたタイヤ間の谷を,軽々と飛び越える身体能力.
あまつさえ,大切な水資源を浪費し,蛇口で他者を攻撃すると言う暴挙...
我々には真似できぬダイナミックな遊びをひとしきり楽しんだ後,
大声で笑いながら校舎へ消えていく,そんな「6年生」がフィッシャーズだ.
いつか,あのような事が出来る...そんな手の届く「夢」を,彼らは見せている.
繰り返すが,好きでは無い.
こんな,クオリティの低いものを見るのは,時間の無駄だと思う.
息子の人生の糧になる訳では無いだろう.
しかし,クリエイティブへの第一歩目...は「このくらい」じゃないのか?
エンタメは進化してしまう.
隙だらけの設定だったマンガは,今や幾つもの伏線が張り巡らされる芸術だ.
なんのかんの言われるTVバラエティでさえも,演者の稽古量こそ減ったが,演出技法の積み重ね,撮影技術の発達...昔とは雲泥の差が有る.もはや「若手芸人」に最低限求められるスキルは,膨大な量なのだ.
でも,フィッシャーズなら,なれるんじゃね?
あんな遊びを友達としてみたら,面白そうだよね...
そんな,真似できそうな,手が届きそうな,エンターテインメントこそが,
子供にプラスの影響を与えるのではないか?
リバースエンジニアリングも不可能な,高度な芸術性のエンターテインメント.
それはひょっとして,子供に演者から観客への道を歩ませてはないか...?
子供の「夢」を奪ってるんじゃないのか?
それを一旦,考えてから,フィッシャーズの動画を,子供と一緒に見てみれば,
やっぱり,くだらない(笑)
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