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[240413]

☁/☀,16℃。土曜日。

❡ 保護者のためのキャンパスツアーで出勤🏫。今回で3回目か。NOと言えない先生からお声がかかり,御意と答えるしかなかった。無事にツアーコンダクターのお役目を果たし(いちおうご満足いただけたのでは,と思う),研究室に戻る。しばし休憩してから業務📤。

❡ 渋谷へ。雑踏を泳ぐような感じで(中年ハゲ親父はこの手の人混みだけで消耗してしまう),17時半前にNHKホールに到着♬。目当ては:

N響 第2007回 定期公演 Aプログラム
シューベルト:交響曲 第4番 ハ短調 D. 417「悲劇的」
ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68
指揮 : マレク・ヤノフスキ

❡ ヤノフスキは,ブルックナーの第9のCDを聴いていて,強い印象を持ったわけではなかった。気になりつつも,直前までチケット購入を迷っていた。魅力的なハ短調プログラムで,行かなかったら後悔するかもと思い購入。結果,大正解だった。自分が行ったN響演奏会の中で一番の名演だった。

❡ どちらも奇をてらうことのない正統派的解釈。全体的に二曲ともテンポはやや早め。明晰で透明感のある方向を向くのはおそらく昨今の傾向だろう。とはいえヤノフスキの場合,あっさりしすぎて,という印象はない。シューベルトのハ短調はもともと「あっさり風味」の曲だが,ところどころ,晩年のシューベルトに頻出する暗い情念がほとばしる。その対照性を無視することがない。

❡ 対照性を見失わない棒さばきは,とりわけブラームスでその威力を発揮した。楽想の切れ目を明確にしつつ,しかし(シューベルトの時とは振り分けかのように)要所要所でテヌートを効かせて,情念と諦観と救済の次元を行ったり来たりする。弦楽器と管楽器の音量がバランスよく配置され,とりわけ木管の動きが際立って,清涼感あるロマン主義が漂ってくるのは心地よくもある。時間の流れ,つまりこの場合音楽の歩みが早く過ぎ去ってしまうことが惜しまれつつ,演奏は終了した。80歳を超えた指揮者の演奏の場合,円熟したとか形容されがちだが,そしてそれは間違いないのだろうが,今日のヤノフスキは同じくらい間違いなく熱い演奏を繰り広げていた。

カーテンコール時

❡ 高校のときに聴きに行った,バーンスタイン/イスラエル・フィルのブラームス1番は強く記憶に残っているが,今日のも引けを取らないかもしれない。なお,弦楽器中音域がもう少し粘り気のある音で,もっと音量を上げていたら完璧だっただろう。木管,とくにオーボエは素晴らしかった。まだお若い演奏家のようだったが,脱帽。本日の演奏会はどうやら放送されるらしい。

❡ 雑踏を避けるように,神泉駅に抜けて帰宅。最寄り駅前の店で夕食。食べすぎてしまったが,満足して自室に戻った🏡。風呂🛀。とてもとても幸せな一日だった。

キンメの煮付けに〈八海山〉。文句ない組み合わせ
(これでは足りずに豚の生姜焼きも。)

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©渡邊日日_307

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