ごめんね、知らなかったんだ
久しぶりに都内へ行ってきました。
人混みはイヤですが、たまに行く都会も楽しいものです。
帰りの電車内で、心地よい疲れの中わたしは座席に座っていました。
本を持っていたので目を落としていましたが、
ふと目を上げると、向かい側の扉の優先席横に、
杖をついた若い男性が立っていました。
優先席は?と見ると、座っている人は寝ているのです。
このご時世ですから、本当に疲れて座っているかもしれないのですが、
その男性、良く見ると義足を着けているようでした。
わたしは席を譲ろうとしましたが、
なぜかわたしの目の前に男性が立っていて、
わたしが立ち上がると、その人が座りそうで、
どうしようかと考えていました。
知らなかったとは言え、義足の若い男性は足に負担を掛けないように、扉側に寄りかかっていました。
見ているのが余りにも辛かったので、
前の男性が座ろうとしたら、はっきりとあの若い男性に譲るから、と言おうとしていたところ、
その義足の男性は、ある大きな駅で降りて行ってしまいました。
どんな事情でそうなったかはわかりませんが、
わたしの弟は高次機能障害と言う障害を持っています。
自損事故を起こしたときからです。
わたしは弟がそうした障害を持つなどとは夢にも思っていませんでしたが、
誰にだって健康を損なうことはあり得るのです。
普通に歩けるわたしが、ちょっと都内へ行っただけで疲れるのですから、
若いとはいえ、義足で杖をつかなければならないならば、もっともっと辛かったことは容易に想像できます。
日本人は人が良いと言われがちですが、
最低限、身体の不自由な方には席を譲る勇気が必要だと思いました。
567で皆の心が荒れています。
なんだか日本がとても危ないところにきているように思えてなりませんでした。