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緑単Postでレガシーを始めよう。

1.はじめに

皆さんこんにちは。ハヤタツです。
いきなりですが、みなさんレガシーフォーマットの魅力とは何だと思いますか?
自分はレガシーというフォーマットの魅力の一つに、大量のドロースペル、意志の力をはじめとするピッチスペル、ショーテルやストームといった上の環境では許されない即死コンボ、そしてデュアルランドをはじめとする特殊地形だと思っております。

今回はその中でも特殊地形に焦点を当ててお話していきたいと思います。
しかも今回記事で紹介するデッキ、レガシーの中では比較的お安く組めます。
特に、高額カードがモダンとかなり被っているため、モダンをやられている方からすると参入しやすいかもしれません。(なんと2マナランドやデュアルランド、意志の力、虚空の杯、0マナアーティファクト、ガイアの揺籃の地といった高額カードはほぼ0。)

ではどんなデッキを紹介するかというと緑単Postというアーキタイプを紹介していきたいと考えています。
今回は無料範囲で現環境(4/28現在)に合わせたリストとデッキの構想思想を記載するとともに、現行のメインアーキタイプ(デルバー、ショーテル、コントロール)について、ゲームプランとサイドインアウト、真髄の針を刺す先の優先順位を記載いたします。また、有料範囲で、その他のアーキタイプの記載および憶えておくといい小テクや、対緑単Postでどのような戦略をとるべきかを記載しておりますので、気になった方は購入よろしくお願いします。

2.デッキ構築思想

① そもそも雲上の座デッキとは…?

モダンだけでなく、パウパーでも禁止?!

緑単Postの話に入る前にそもそも一般的なPostとはどういうアーキタイプなのか解説します。
(雲上の座=Cloudpost(英)のため、デッキ名の総称がPostと呼ばれがちです。)
基本的には、雲上の座という「神座」と呼ばれる土地カードを参照して
大量のマナを出すカードがキーカードになります。
ただし、同名カードはデッキに四枚しか入れられないのがMtgの原則。
そのため、ヴェスーヴァや演劇の舞台といったカードを利用して水増しを
するというのが雲上の座というデッキの基本です。
また、雲上の座以外にも「神座」を持つ土地カードもあります。

結構馬鹿にできない回復量を誇る…!

一般的な雲上の座を使用するデッキは、雲上の座を含む神座を並べて
指数関数的に出るマナを増やす。→エルドラージ3柱をキャスト
というのが大きな流れです。

② 不毛の大地やばくね?


しかし、神座を増やすということはコピー元の雲上の座を早いターンで引かないと増えない。
また、レガシーには大量の特殊地形をとがめるカードが存在します。
特に注意しなければいけないのは、不毛の大地です。


レガシーを象徴するカードだと思います。

そもそも探検の地図と雲上の座の合わせて八枚しかないコピー元を
不毛のあふれるレガシー環境で守り切るのは無理があるのでは…?
雲上の座と不毛の枚数おんなじだしイケるでしょ!という方もいるかと思いますが、レガシーはドロソが大量に入っているデッキ、または土地サーチが入っているデッキが不毛の大地を使用する傾向にあります。(勿論一概には言えませんが…)それに加えて、カウンターまで打ってくるデッキがいるわけです。それ相手に序盤から雲上の座をタップインしてコピーする前に割られてしまった日には…

しかし歴代のPost愛好家達はあきらめませんでした…
Postと聞くとこちらのデッキを想像する方も多いと思います。
虚空の杯、難題の予見者やカーンといったミドルレンジに強いカードを採用して、2マナランドの価値を向上。雲上の座も2マナランドの一部として運用することで不毛の当て先を散らしております。また、厳かなモノリスとスランの発電機によるマナジャンプも搭載しているため、爆発力は高いです。
ただし、
・相手の不毛の大地を止める手段がない、
・ビッグマナ特有の重い構成(6マナ以上のカードが9枚)による不安定性など課題も残るため、自分は好きになれませんでした。

・エルドラージPost(4/28現在)

由緒正しきビッグマナ。

12Post

不毛を止めるためにメインから魔術遠眼鏡を採用するタイプもあり。

③ 改めて緑単Postってどんなデッキ?

上述したPost達との違いは何か…
一般的な緑Post(2023/4/22 LegacyChallenge 2位)


基本的なデッキの流れは以下の図を見てもらえばいいかと思います。

・安定感の高さが売り
従来の無色Post(通称12Post)は雲上の座をVesuvaや演劇の舞台といったカードで水増しをしてマナを伸ばします。ただ、コピー元ととなる雲上の座がデッキに四枚+地図による水増しで、4枚の計8枚しかありません。しかしビッグマナ系統のデッキであるため、2マナランドやモノリスといったカードによって追加のマナ加速をとる傾向にあります。そのため、Vesuvaや演劇の舞台といったカードを固めひいてしまった場合、下振れが生じやすくなります。しかし、緑単Postは上記の8枚に加えて、輪作、開墾者の8枚があるため、単純に雲上の座へのアクセスのしやすさが段違いです。そもそも緑単Postの場合相手の動きを見ながらエンドフェイズに雲上の座を伸ばすかを選択できるため、序盤から座を置いていくプランを無理にとる必要はありません。そのため、キープ基準となるカードは、開墾者やしげ樹、地図、針等比較的汎用性の高いカードでキープできるのも魅力的です。(しかもマナコストが低い。)
特にフェアデッキには、6マナ6/6というサイズで且つ、好きな土地をデッキから2枚持ってこれる原始のタイタンというカードは十分なフィニッシャーであり、タイタンを経由した次のターンにはウギンの目の起動の準備を整えたマナ基盤が完成していることがほとんど。
タイタンは緑の太陽の頂点で水増しができているので、タイタンキャストまでの再現性が高いです。また、タイタンが引けなくても輪作、探検の地図がウギンの目に変換されるので、マナさえ伸ばせればフィニッシャーにたどり着くことができます。

・不毛の大地耐性の高さ
通常、12Postにも言えるのですが、コピー元の雲上の座が割れるとヴェズーヴァや演劇の舞台が腐ってしまう可能性もあり、不毛の大地を最大限に警戒します。そのため、メインから真髄の針や魔術遠眼鏡が入っていることもしばしば…。それでも昨今のカードパワーの向上によりメインから万能除去(母性樹、借り手、虹色の終焉等)が投入されているため、真髄の針をどけられて不毛の大地で土地を割られることも多々あります。緑単Postではそれを防ぐための構築思想として、①でも記入した輪作+開墾者を採用しております。常に緑マナを構えられるようにというのに加え、そもそものGG要求(忍耐、しげ樹、原始のタイタン)の高さから下記で紹介するリストでは
ヤヴィマヤを4枚採用としております。

・銀弾性能の高さ
上述の開墾者、地図、輪作により、Karakas、ボジューカの沼、魂の洞窟、Glacial Chasm、Maze of ith、ウギンの目、デプスコンボパーツといった守りだけでなく攻めにも使用できる土地をサーチできます。特にウギンの目を採用できているのが大きく、フィニッシャーの枠を限界まで削ることができているのが上述の安定感につながっております。
また、緑の太陽の頂点の採用で、メインボードの、開墾者、シゲキ、忍耐、タイタンの水増し、サイド後のアウフ、ガドックを採用することができています。
また、1ターン目の開墾者が除去されなかったり、Mapがおけていれば、母性樹や基本地形のサーチが可能なため、赤単プリズンといった血染めの月を採用したデッキにもメインから戦うことができます。)


3.デッキリスト

今年の3月のレガシー日本選手権でリストを共有していた友人が準優勝しております。その際、Noteを書いておりますのでリンクを貼っておきます。

その時からレガシーの環境には大きな変化があり、天敵だった赤白イニシアチブデッキが、禁止改定より姿を消しました。それも相まって一度メインに4枚採用していた罠の橋を抜いております。(環境のスニークショーや赤緑イニシアチブの数が増えてきているため、また、戻す可能性はありますが)

また、2023年/4月に実施されたレガシー神でもTop16に上記の友人が残っております。(今回紹介するリストから若干変わってはおりますが、こちらも共有したリストを使用していただけたようです。

今回の記事で紹介する緑単Post

4.ゲームプランとサイドインアウト

① デルバー 

メイン5分 
真髄の針 → 不毛の大地
表現の反復が禁止され、前よりマイルドなデッキに仕上がった印象です。
不毛の大地が入っているため、針が引けないとマナを伸ばすゲームプランが瓦解しがちです。針がないときは、できるだけ輪作を構えながらゲームをしましょう。また、常に相手の墓地の枚数を確認して濁郎の執政が場に出ないように、開墾者と忍耐で盤面コントロールを心がけましょう。基本的には魂の洞窟巨人指定から、原始のタイタンを叩きつけるゲームです。ただし上述したように忍耐で盤面を支えなければいけないシーンがあるため、魂の洞窟を一旦エレメンタル指定するのもありです。とにかく、執政の早期着地だけは避けましょう。ヴェズーヴァがあるため、ボジューカの沼や魂の洞窟をコピーすることも可能です。
原始のタイタンのキャスト直前のターンエンドフェイズに輪作で様子見→通れば魂の洞窟という具合で、相手のWillをつり出していきましょう。探検の地図が通っている場合は、何とか5マナまで伸ばして、6マナ目を魂の洞窟サーチでキャストすると、かなりゲームを優位に進めることができます。
相手の不毛の有無と真髄の針に対する対応でバウンスの有無がある程度把握できるので、デプスコンボを狙いに行くのもありです。


基本的には不毛がたくさん入っている青い相手にしか入れない


出たら相手のクリーチャーだけ全部吹き飛ばす。


サイド 有利
Inハイドラ1忍耐1絨毯4
Outカラカス1エムラ(15)エムラ(13)シゲキ3
サイドの指針としては、重いクリーチャーがいらないのでウギンのサーチ用にウラモグのみ残して残りは抜きましょう。シゲキも後半腐った除去が当たりがちなので抜いてしまいましょう。(相手がミンスク採用しているのを確認した場合、カラカスを戻してバリスタあたりを抜いてください。)
絨毯が非常に強力です。メインより楽になるマッチアップだと思います。
たまに入っているアショクに完封されないようにできるだけ開墾者を守りましょう。

②ショーテル


メインは意外と何とかなる。


メイン5分 
真髄の針→だまし討ち>グリセル>大田原>キキジキの鏡像
滅茶苦茶きつそうに見えるこのマッチアップ…意外とやれます。
メインは真髄の針指定だまし討ちで、クリーチャーを出す手段がショーテルになります。
そうなると原始のタイタンやエムラクールをショーテルで合わせられる覚悟でショーテルを打たねばならず、非常にスニーク側の条件が厳しくなります。また、昨今のメタゲームの変化より執政を採用しているリストが減少傾向にあり、原始のタイタン→カラカスサーチで十分対処できます。負けなかったら、最後はDepth かタイタンからゲームが決まりますので負けないハンドをキープできているかが重要かと思います。
ただし、残虐の執政官のみかなりタイトなゲームになりがちです。
Mazeも効きずらいので、出てきたら早々にマナ加速からウラモグか、エムラを叩きつけられるよう、タイタンでマナ加速に徹してください。

サイド後ちょい不利

デプス友情コンボで勝つゲームもしばしば

サイドボード
In ガドック、Force of Vigor2、バリスタ1、嘆き3、ハイドラ、基本エルフ
Out 忍耐3、シゲキ3、ボジューカの沼、ラムナプ、Vesuva

サイド後のゲームプランも基本的には変更なしですが、相手の置物破壊と月の大魔術師が入ってくることが想定されます。森を持ってくることができる開墾者やmap、輪作構えでゲームをできるようにしましょう。ガドックを持ってくるとWillも打たれないのでゲームプランも立てやすいですが、ショーテル→だまし討ちとつなげられると自分だけVigorが打てず負けてしまうこともあります。ガドックのある状況でのショーテルは相手が何を出すかしっかり予想をしてから合わせるカードを選びましょう。(基本的には針ですが、相手もやぶれかぶれでアトラクサやグリセルを置いてくる可能性も大いにありますので、理想としてはガドックでWillが打てないうちに針を置いてしまうのがいいと思います。
また、月の大魔術師がいる状態で、暗黒の深部を持ってきた後、バリスタで魔術師を除去するか、根の道の浄化師を場に出すとデプスがカウンターのない状態で誘発するので、友情コンボになります。ぜひ狙ってみてください。


全知いらずの可能性あり


エターリ採用型の場合、エムラをめくられるとしんどいゲームになることが多いです。全治と違ってエムラをバウンスするのが有効なルートでもあるので、アンタップのカラカスを持ってこられるようにしておきましょう。

③対コントロール


メインガン有利
黒抜き4C:真髄の針→不毛>母性樹>杖>ミンスク
ジェスカイ:真髄の針→(不毛)>石鍛冶>杖>見えたPW

4C
ジェスカイ


一括りにしましたが、緑絡みの4Cかジェスカイカラーの石鍛冶かで分けて書いていきたいと思います。
4C:真髄の針→不毛>母性樹>杖>ミンスク
ジェスカイ:真髄の針→(不毛)>石鍛冶>杖>見えたPW
真髄の針はどちらのアーキタイプにしても不毛が入っている場合は基本的に不毛を指定しましょう。ぶっちゃけ多少杖が回っても魂の洞窟+原始のタイタン→ウギンの目サーチ、デカ物キャストで何とでもなります。特に4Cは壌土からの生命と併用していることも多く、ピン差しで不毛と母性樹を採用していることもしばしば。針を虹色の終焉で対処→不毛+壌土からの生命はしっかり負け筋なので、どちらか追放できるように輪作、忍耐は雑に切らないようにしましょう。特に壌土からの生命さえ追放してしまえば、そんなに不毛の大地の枚数がとられているデッキではないので何とでもなります。ソープロや忍耐を採用しているデッキなので、デプスルートは安易にいかないことをお勧めします。
ジェスカイは4Cとの差別化を図るために基本地形が多い構成が目立ちます。
不毛は取られていることは少ないですがアドバンテージ減として石鍛冶、Pwの採用が見られます。精神を刻むものジェイスやカルドラが負け筋になりますので、しっかり負け筋をつぶしておきましょう。

サイド後有利

ジェスカイサイド後

サイド後の指針ですが、メインと異なりサイドから土地対策が多少入ってくると予想されます。特にジェスカイカラーですが、破滅や基本に帰れ、アショクといった置物による妨害が入ってくると思います。歪める嘆きとVigorがかなり有効なサイド対策になると思います。
4Cは森知恵が絡むと負けやすいので、しっかり割りましょう。
また、どちらのデッキも、PW、虹色の終焉をつぶす意味で、ガドックをインしましょう。

サイドボード
4C
In Vigor1、根の道、ガドック1、バリスタ
Out 忍耐2針1Glacial
ジェスカイ
In アウフ1、根の道、ガドック1、嘆き3、Vigor2
Out 忍耐2ボジューカの沼1針2輪作2Glacial

ここからは有料になります。いろいろなデッキのサイドインアウトを記載していく予定ですので、よければ購入よろしくお願いします。

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