見出し画像

offto(オフトゥ) - ピボットとその理由

2019年11月初旬、創業からそれまで取り組んできた事業をピボットしました。ピボット前は、東京都心部の集合住宅に住む子どものいる家族を初期のメインターゲットとして、心ふるえるアドベンチャートリップ(キャンプやハイキング、釣りなど)の提案とそれに必要な場所・アウトドア用品を一括で手配できるWebサービス「offto(オフトゥ)」を提供していました。
本noteは僕らにとっての備忘録、そして僕らの歩んだ経験がいつか同じような事業をやりたいと考える人にとってのヒントになればと思ってまとめた活動記録です。

仮説検証からベータ版の公開まで

プレサービス(仮説検証)期 - 2019年の春から夏にかけて行ったプレサービスでは、offtoの一連のサービスを体験してもらう家族を友人・知人、および一般公募(ポスティングとインスタを中心としたSNSでの呼びかけ)で募集しました。ポスティングの対象は初期ターゲットに絞り、豊洲エリアと港区・品川区の一部エリアにある高層マンションを中心に3,500〜10,000部のチラシを配布(下部写真はその一例)。毎回10組程度の応募がありました(コンバージョン率0.1%〜0.29%)。オペレーション体制を構築中だったため、応募組数のうち毎回最大3組にプレサービスを楽しんでもらいました。しかし、今年は土日のたびに悪天候が重なってしまい、予定していたプレサービスは半分以上が中止。想定ユーザーからのフィードバックを得られなかっただけでなく、アウトドア事業における天候リスクをまざまざと感じた期間でした。

名称未設定.001

ベータ版の公開 - 2019年9月上旬「offto(オフトゥ)」のベータ版を一般公開しました。貸し出すアウトドア用品を自社配送でユーザー宅に届けることを考えていたため、サービス対象エリアを東京都江東区・中央区・港区・品川区・江戸川区の5区に限定。また、誰もが取組みやすいアウトドアレジャーとして、キャンプを最初のアドベンチャートリップのベースの体験としました。キャンプの次はハイキングやサーフィンなどへ展開予定でした。
集客はプレサービスと同じく、豊洲エリアと港区・品川区の一部エリアにある高層マンションにポスティング、およびインスタ広告で実施。しかし、思うようにはユーザー数を増やすことはできませんでした。メインターゲットが求めるサービス設計になっていなかったのか、値段が高かったのか、季節要因なのか、既に秋の行楽予定が決められてしまっていたのか、などいくつかの理由が考えられました。

ちなみに、ベータ版公開時のPR Timesの記事は以下。

ピボットとその理由

ベータ版サービスの公開から2ヶ月ほどが経過し一般的なキャンプのシーズンが終わる頃、なかなかうまくいかない状況についてチーム内で話し合いを重ねました。結果として、いくつかの要因があるものの、次の3つの主な要因を理由に事業内容をピボットする決断をしました。

1) 初期ターゲット層のニーズは確認できた。しかし、そもそもの利用機会・頻度が少なかった
子どもの頃にアウトドアレジャーをやった経験がない人ほど、限られた可処分所得・可処分時間の中で、習い事や観光旅行の優先度が高くなってしまう傾向がありました。また、週末2日間のアウトドアレジャーは初心者家族にとって日程的にタイトで十分に楽しめないものでした。そのため3連休や大型連休に需要が集中します。年間の一般的なキャンプシーズンが7ヶ月(28週)しかない中でそうした連休は数える程度のため、そもそもの利用機会・頻度が少ないことがわかりました。

2) アウトドア用品の配送費、メンテ・保管費が高かった
アウトドア用品は重くてでかい。offtoで提供していたキャンプ用品を一式揃えると160サイズのバッグ(20kg)が2つ、120サイズのバッグ(5~10kg)が1つ、100サイズの箱(3kg程度)が1つになりました。これらを宅配業者を使って配送すると、都内の配送でも往復12,000円かかります。人口が密集した都内であれば、ルートを最適化し自社配送することでこのコストを削減できるのではないかと実験をしました。しかし、一件あたり2名体制で1.5~2時間、受渡しタイミングのスケジューリングや人件費を考慮するとほぼ同程度のコストがかかりました。
また、自社でアウトドア用品の在庫を持つことは、当然メンテや保管手段について考えなければいけません。具体的にはテントやタープを乾かす場所の確保、誰がやるのか、どこでやるのか、ノウハウをどう形式知化するか。当時はスピーディーに仮説検証を重ねることが最優先事項であったため、ベータ版の期間は保管・メンテを知人経由で紹介いただいた物流倉庫会社にアウトソースすることにしました。賃貸物件を借りて自社で進めていくには、初期費用や維持コストの支払い、オペレーションにおいての不確定事項が多かったのです。当たり前ですがアウトソースのため毎月の支払いが発生します。サービスの集客状況も考慮し、継続が難しいことがわかりました。

3) ユーザーを巻き込んだサービス開発を高速回転で行えなかった
offto経営陣の身近に初期メインターゲットである子連れ家族が少なかったため、アプローチコストが高く、またフィードバックを得るまでに膨大な時間がかかりました。経営陣もしくは友人がメインターゲットであれば10秒で確認できることを数週間かけてようやく確認できる状況でした。
また、シーズンのオンオフがあるアウトドア業界では、今シーズン中にサービス開発が間に合わなければ、その仮説検証は来シーズンまで持ち越されてしまいます。そのためサービス開発においてスケジュール厳守は優先順位の高い事項でした。
ユーザーからフィードバックを得るのに時間がかかっていた一方で、スケジュールを優先しました。結果として、ユーザーの声を十分に反映できていないサービスになってしまっていたのです。初期のスタートアップでは、サービス開発を効率的・効果的に進めていくために、経営陣のこれまでの経験や友人・知人コミュニティを最大限活かすことが重要だと実感しました。

おわりに

ピボット後の現在は、アウトドア用品を借りたいユーザーと貸したいレンタルショップを繋ぐWebサービス「offtoを提供しています(2020年1月現在、クローズドベータ版で仮説実験中)。新しいofftoについては別の記事で詳しく紹介する予定です。