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73日目 デスロールから始めよう

18日の天気は7度らしい。最低ではなく、最高気温が。奈良の宇陀は寒い。隣村の出身なのでよくわかる。毎年近畿で最初に氷点下を記録するのはこの地域なのである。風もやや強めの予報がでている。

木曜日は起業支援で宇陀に来ている。午前中は市役所さんと定例会だったのだが、まず天気の話になった。18日は宇陀での「食と農の図書館マルシェ」の開催日。それだけでなく、いち早くオーガニックビレッジ宣言をした宇陀市全体が様々な催しを準備しているので、できるだけ開催したいと関係者全員で悩んだ。心強かったのが出店慣れした地元の出店者さんだった。難しい天候の場合は車の配置や状況に応じた場所使いができるから大丈夫との返事をいただいた。一番心配だったのが、準備していただいた食材がロスになることだったので出店者さんの優しさに助けられた気がした。少しでも風が弱まっていればと願うばかり。

午後に、SNSに連絡をいただいた方とオンラインで自分のキャリアを話す機会があった。その直前に事務局のメンバーと「どうして今の仕事に辿り着いたのか」という話をしていたので、その後、長々とキャリアについて話すことになるとは思いもしない展開だった。3年ほど前に、キャリアチャートという折れ線グラフで自分のキャリアの浮き沈みを記したものがあったことを思いだした。振り返ると今ここで起業支援や移住支援の仕事に関わっていることが奇跡のようだと思う。しかしながら、誰の人生も平凡なものなど1つもなく、1つ1つが浮き沈みにあふれている。キャリアチャートなんて主観的なものだから、他人が見れば私の沈みも誤差の範囲かもしれないじゃないか。

帰宅すると、息子に新しいキャラが爆誕していて、お風呂が架空のイルカショープールと位置づけられていた。イルカの名前は「東うらさ」と言う。どっから出てきた名前なのか不明だが、素晴らしいネーミングセンスである。そして、息子自身はスタッフではなく「イルカ」なのだと言う。開演のアナウンスとともにイルカショーの幕開けだ。お湯のなかに腹ばいに浮かんでスクリューのようにぐりんぐりんと10回転。なんだね、それは?「これはね、デスロールといいましてね。私たちイルカ族にしかできない技なんですよー」と息子。ふむ。デスロール・・・。溺れているのか、演技なのか判別がむずい。まさにデスロールにふさわしい技である。これまた素晴らしネーミングセンスである。

洗い場で裸のままイルカショーを見せられた私は、冷え切ってしまった。寒波が近い。

20231116

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