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36日目 いたちから始めよう

いたちそば、なるものを知った。ダシと中華麺とお揚げでいたちなのだ。いたちは大阪のボバース記念病院の側にある「いたち」というそば屋、ではなく「かんなべ」という定食屋にあった。

たぬき、きつね、ときて、いたち。いや、どうなんだろ?気持ちはわかるがちょっと獣すぎやしないか。とはいえ、いのししではまた意味あいが変わってくる。ネーミングは大事である。

朝方、塩屋の空家対策事業のプロジェクト名を20案ほどメールして、東部療育センターへ毎週のリハビリに息子を連れていく、時間がないのでパジャマのまま連れ出す。

午後からはボバース記念病院で歩行装具の作り替えのため、理学療法士さんの診断と川村義肢さんの型取りがある。足と体の成長に応じて毎年この時期に作り替えている。診察予約の時間より早く着いたのでゆっくりとお昼ごはんにしたのだった。

となりのお兄さんが注文した。「今日ぼくはじめてなんですけどトンカツ大きめですかね?」お店のおばちゃんが答えた「まあまあね」

運ばれてきたトンカツ定食を見て驚いた。まあまあどころか、もりもりである。皿よりでかい。この店の名物はいたちではなくわらじトンカツだったのだ。めったに出会えないいたちはわらじに押されてメニューの隅っこでくるまっているのだった。おばちゃんの「またまあね」も思い返してみると含みがあってじわじわくる。次来るときはいたちとわらじにしようと思いつつ親子でカツ丼を食べた。こちらのカツの大きさは至って普通である。

病院に着くなり息子はJoshin!Joshin!を連呼している。6月の入院時に近くのJoshinでプラレールを買ってもらったことに味をしめたらしい。こんなところで折れては行けないと必死の抵抗を試みるが完敗。

息子から提案があったのだ。プラレールで遊ぶ日とiPadで遊ぶ日を交互にするから買って、という提案だ。なかなか親の痛いところを突いてくる。ぐぬぬ。動画を見る時間を減らして欲しいことを逆手に取られた。

見事、JR高崎線湘南カラー車両を手にした息子は晴れ晴れとした表情で買い物カートを押している。Joshinの下にある関西スーパーで買い出しして帰るのが今日の最後のお仕事だ。私はいったいいつユブネの仕事ができるのだろうか。

自宅に着く頃、京都から帰ってきた妻と玄関で鉢合わせ。息子はプラレールを握りしめて寝てしまったので2人で遅めの夕食にした。

あのさ、いたちって知ってる?

20231011


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