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67日目 隠し財宝から始めよう

知人から頂いた子どものおもちゃが落ちて割れると、隠し財宝が顔を出した。プラスチックでできた小さな特急ラピートの車体一杯に、何かが詰め込まれている。よく見るとどうやらコインと消しゴムのようだ。ネジを外して車体を開けてみると外国のコインが9枚、白い消しゴム片が8個詰め込まれていた。ミステリーの始まりである。一体誰が何の目的でコインと消しゴムを詰めたのか?早速、もとの持ち主に連絡を入れてみたが、現在は中学生になっている息子さんはさっぱり覚えていなかった。

いろいろと想像をめぐらしてみた。デジタル計量計で200グラム丁度に表示を合わせる遊びを思いついた子どもたちが、家にあるもので計測勝負を始めたところ、ラピートを乗せてみるも50グラム足りないのでコインと消しゴムを詰めたらなんとぴったり!という話だったのかも知れない。

まるでタイムカプセルのようにひょっこり現れた財宝たち。うちの息子に頂いて、うっかり固い床に落としたことで時を超えて現れた。なんだか存在論的な話だなと思うのである。確かにコインと消しゴムはそこにずっと存在していたのであるが、我々親子が観察する(目にする)まで、それは存在していると認識されていなかったものたちである。

隠し財宝に思いをはせつつ、西区の玉津にある旧玉津庁舎を見学。庁舎が移転した後を民間活用するために改装が行われている。5年間の指定管理としてコープさんが選ばれ、コワーキングや市民活動の拠点となる予定だ。昨年から西区にご縁があり今日はコープさんの案内で中を視察した。まだ何もないが余計に想像が膨らんだ。ベランダの広いスペースを活用して一区画菜園もできるだろうし、残置されたタイル壁面を子どもたちと新たにペイントすることで場所を自分ごと化もできるだろう。来年5月頃から本格稼働するため、年明けからアイデアを深めていくことになる。

ふと、1階に隣接したガレージが気になった。公用車等を駐車しておくスペースだったが庁舎移転で今は使われていない。均等にならんだ10畳ほどのシャッターつきガレージが10庫ほどある。「これは隠れたお宝ですよ」と思わず語気が強まった。外壁をペイントして一区画ずつ貸し出して「ガレージセールマーケット」が開催できそうだ。1階の解放窓部分と隣接しているので室内との連携も抜群だし、ガレージがない再度にはキッチンカーを並べたら100メートルほどの「ストリート」ができる。まちに隠れたお宝物件も「観察者」が現れることで価値が出現するのである。

20231110

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