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22日目 かぼちゃの炊きものから始めよう

バックミラー越しに口を開けて半目の息子が見える。車で療育センターに通うようになって1ヶ月。振動が心地よいのかよく寝てしまう。新しく導入したBluetoothスピーカーでトーキングヘッズを聴く。デヴィッド・バーンのペラペラな感じが朝に丁度いい。最近AmazonPrimeで観たツアーのやつも全く汗臭くなくてペラペラしていてよかった。この薄っぺらくない「ペラさ」はどうしたら出せるのか。それはもう「厚みのあるペラさ」なのか。つまり「厚っペラさ」いや「太っペラさ」なのか。そもそも「ペラい」ってなんだ。

午後から御影高校で研修の準備やクリエイション講座のまとめ、講師の皆さんとの振り返りの内容の書き起こしなどを3時間。竹中コーディネーターから12月のグローカルコンシャスデイのワークショップを担当していただく講師陣の共有があった。その日は全校が終日ワークショップ受講と発表の日になる。講師は企業やNPOや自治体、教育機関の方である。こうした取り組みが他校より進んでいるため最近は全国から視察があるようだ。11月には福島でコーディネーターの研修もある。NCLでお世話になっている小高ワーカーズヴィレッジにも立ち寄りたい。

昨年はユブネも1DAYのワークショップを担当した「編集」に必要な要素を8つ提示してその8つの考え方ごとに個別のワークを6人ひと組でやってもらった。「形式を変えてみる→校歌をヒップホップにする」「別けてみる→洋服をパーツに解体する」「見立てる→クラスをアイドルグループとして売り出してみる」などだ。それぞれのミッションを2時間でやり切った生徒の顔はすっきりしていたようにみえた。ときには「開放型」の学びも必要だと思う。「校歌をヒップホップにする」では、しっかかり他校をDISするというライムバトルの流儀まで入れていたのが最高だった。

水曜は夕食を作る。土鍋で米を炊き、ちんげんさいと玉子の炒め物。カボチャと茄子とたまねぎの煮物。なぜかいつも煮物水量が半端なくなってしまうクセがあるので今日はごく少量に抑えた。なかなかよく出来た。はずだった。息子が茄子を食べて一言「なんかちょっとすっぱい」え?まさか?あ、確かに。どうやらこれは、みりんとお酢を取り違えていたようだ。息子の味覚が正常であること安堵しつつも根本的な失敗にうなだれる。息子の感想は「どちらかといえば、うまい」であった。暮らしは、毎日がワークショップである。

20230927

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