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漫画・アニメで考える、『生徒会』という組織の建付け

中学校や高校を舞台とした日本の漫画・アニメでよく見かけるものとして『生徒会』という組織を中心とした話作りがあります。

主人公が生徒会役員となり学校生活を主導したり或いは対立したりと切り口は様々ですが、どういうわけか話を作る側も受け取る側も生徒会が好きな様子です。

ところで、こうした話の中ではよく執行役員を「生徒会の奴ら」などと表現したり、役員選挙の際は「生徒会に入りたい」などと作中の登場人物が語るシーンを見掛けます。しかし、日本の中学校・高校は生徒は全て生徒会の会員で会長・副会長・書記・会計らは執行役員という建付けになっていることが殆どです。

例えば、Wikipediaの『生徒会』ページを見てみると文科省の出版物を根拠として「全生徒を会員として、生徒の立場から自発的・自主的に行われる活動」と説明しています。

つまり、入学した段階で生徒は皆生徒会に入っている為、会長や副会長らのみを生徒会と表現するのは間違いだったりします。勿論、日本中全ての学校の制度をくまなく調べた訳ではありませんので特殊な制度を持つ例外はあり得ますが、こうした制度の学校が一般的です。

私は漫画やアニメでこうした描写を見掛ける度に高校時代部活のポスターを自作し"協力・◯◯高校生徒会"と記載して校内に掲出したところ教師に前述したような組織の建付けについて指摘されたことを思い出します(私も高校生の頃は生徒会と執行役員の関係をよく理解していませんでした)。多くの漫画家さんや脚本家さんは恐らく私と同じような勘違いをしている、或いは理解しているが読者・視聴者の多くは間違えている為そちらに合わせているということなのではないかと推測しています。

身近なようで多くの人が勘違いしている制度。興味深いですね。


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