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必ず失敗する奇跡の催眠術ガッつき催眠

この催眠法は、どんな熟練者でもこのテキストに書かれてある通りに実践すれば必ず失敗することが出来るという奇跡の催眠術です。
催眠の基礎知識なんていらない人や、わざわざ自分の培ってきた催眠を地に落としたい人まで幅広くダメな催眠術師を育成するための教則です。
特別に無料で公開します。

ガッつき催眠の基本

まず身なりです。とても大事ですね。しっかり変な人に見えていますか?
眼鏡は斜めになっていますか?髪の毛はボサボサにしましたか?当然指の爪は汚いですよね。差し出した時に良く見えるように心がけましょう。
ああ、ベルトのバックルがしっかりしちゃってるじゃないですか。だめですよ二つくらい腰の方に寄せなくては。
靴は100点です。確かに小雨は降っていましたが黒いゴム長で来るのは良い心掛けです。(業界の方で催眠術師ではありませんがマジでこういう人いました)

さあ、催眠だ!

被験者さんから話しかけてくれましたよ。
被験者さん こんにちは、○○です。今日はよろしくお願いします。
ガッつきさん あ”っ(ペコリ)
被験者さん 催眠って初めてなんですけど、肩こりとか良くなるんですか?
ガッつきさん うんうん大丈夫大丈夫
被験者さん それで肩凝りすぎちゃって首痛めちゃったんですよ
ガッつきさん ああそうそれじゃ催眠術かけましょうか

良い感じですね、まるで被験者さんの話聞いていません。
どうかしたらそんなことどうでも良いから早く催眠かけさせろって思っていますよね。ガッつきの鑑です。

さあ被験性テストは一つ成功したらすぐに誘導です。
まずはとにかく暗示文を自分なりの解釈で適当に端折って記憶します。
ああ、完全に覚えていないけれど、そんなことより目の前の被験者が催眠状態になってソファにもたれかかるそんなイメージを妄想しましょう。
頭の中に叩きこんだ誘導暗示、「えーと、この火を見てください、(アチっ)火が燃えてますだから目が閉じます」声が震えてきましたね。そうです。それがガッつき催眠の基本です。

被験者さんが空気を読んでくれた

ほら被験者さんが目を閉じましたよ。もうこっちのものです。
次に催眠暗示をしてみましょう。
「今から10数を数えるとあなたの時間は止まります」
イイですね、大失敗の予感でワクワクです。
10.9.8.7.6.5.4.3.2.1.0 そうですそうです!ゼロまで数えたら11ですね!良い感じですよ。その場合は数を逆に数えて0になったらって言うのが正しいですがあなたにはそんな事無関係です。

そんな事よりもあなたの妄想は止まりません。目の前の被験者さんの時間が止まったらもうやる事がいっぱいですから。
まず、すこし悪戯ですかね?顔近づけたり本当に止まっているか目の前に手のひら差し出して確認しなくっちゃ。
あれ?呼吸してるよ?眼も動いてる???
確認しなくっちゃ「止まってないでしょ?」そうそう!良いですね。かかっていないことを自覚させる追い打ちはガッつきの極意です。

深く落とせ


被験者さんがまたもや空気を読んで「うん・・・ちょっとかかったかも?」と答えてくれました。
すかさずそこで瞬間催眠です。はい!またあの気持ちいい催眠に入る!
一気にトランスファーでソファに寝かせるぞ ずーん
あれ?被験者さんが眉間にシワ寄せたぞ・・・・・よし催眠深化だ深く落とそう!
グッドですナイスです。
首が痛いって言うのぶち忘れて乱暴に寝転がせましたね。

書いてて嫌になってきたのでここまでにします(笑)

催眠に大切な心掛け


何が言いたいかというと、催眠はしっかりと相手との対話を大切にし、こちらの思いのみを押し付けるのではなく、楽しい空間を共有する努力が必要ですよ。という事です。
意識に無防備な部分が出てしまう催眠は、ともすれば術師が上位に立っていると思い違いしがちですが、さにあらず。どういう経緯であれあなたを信用しあなたの催眠にかかってくれたのだという事を考えるとその気持ちを裏切ってはいけないという事です。
特に深く深くという事に重きを置くのは誤りです。深く落としたら何でも暗示が通るというわけではありません。
それよりも良好な関係性を築いていくのが良いでしょう。


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