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思い上がることの危険性

冒頭から何やら穏やかでない言葉が出ましたが、ある程度催眠誘導に慣れて来た人が被催眠性の高い人に出会うと催眠術でなんでも出来ると思い違いする事があります。
それは催眠術師の技量でそうなっているのではありません。
凄いのは催眠術師ではなく、それだけの潜在能力を持っている被験者さんです。

そこを忘れてしまうと自分の手に追える範疇の事でないにも関わらず無謀・無理な催眠を行なってしまいかねません。
酷いケースだと「風邪引いたの!じゃ熱下げよう」とか「歯が痛いの?よし!催眠で痛いの消そう」など、いや病院行かせなさいよ(笑)
一時的に症状を消すのもおすすめ出来ません。
病院に行っても今現在の正確な症状隠れちゃっていますからね。患者さんがドクターに申告するんですか?「今催眠術で痛み消えてるのでよくわかりません」って。それともあなたが付いて行って診察直前で解除?どう思われるでしょう。
今回は被催眠性に甘えた・つけこんだ催眠は要注意と言うお話です。

催眠状態だって出来ない事はある


例えば潜在能力開発と言って非暗示性を高める為にトリックを使う手法があります。もう何十年も前から使われている手法ですが、所謂スプーン曲げ。
これは事前にスプーンの首に高熱をかけて疲労破壊を発生させておいたスプーンを使います。
一見普通のスプーンに見えますがその部分だけは非常に脆くなっていますので簡単に曲がったり折れたりするわけです。
先に普通のスプーンで曲がらない事を確認させておいた後、催眠誘導またはそれらしき言葉がけなどをしておきつつ疲労破壊しているスプーンとすり替えると、あら不思議!非力な人でもぐにゃりとスプーンが曲がってしまうのです。
これで非暗示性がグッと上がると言うわけですが、これを見よう見まねでただ催眠だけでやったらどうなるか。
当然曲がりませんし痛いです。痛いだけではなく予測しない力をかけてしまっているので運が悪ければ被験者様の指にダメージをかけてしまいます。

そんなの無かったことにすればいいじゃないですか

ある現場で言われてキレかけた言葉です。
被験者様がおそらくは相当嫌な思いをするであろう催眠を求められた事があります。
当然術師としてはそんな事したくないですよ。なのでその旨伝えたのですが返って来た言葉が「催眠で無かった事にすればいいじゃないですか。それか楽しかった事にしてくださいよ」でした。
冗談じゃない。お断りしましたよ!催眠術師にも被験者さんにも、とんでもなく失礼な話です。
催眠は他者を都合良く操る為のツールではありません。
なので皆さんはそういう思い違いしないでくださいね。
当然ですが私は其奴とは、ずいぶん前に完全に縁を切りました。だって大嫌いだもん😂
ちなみにそんな無茶な催眠でも条件整えれば実現出来るのですが専門的な手法となるので、いつか気が向いたら有料記事に書こうと思います。

潜在的な力は普段抑制されている

催眠で潜在能力が上がる事もありますが、それは本来その人が持っている範疇の事でしかありません。
ですから所謂火事場の馬鹿力と云われる現象も当然その人が持っている能力の範疇なのです。
あれ?それだったら良いんじゃない?持っている範疇なんでしょ?催眠で目覚めさせましょうよ。と思っている人は修行が足りていません。
普段かけているリミッターは非常事態だからこそ解除されるのであって抑制している力を解放する事は今の非常事態を乗り切る為にその後のダメージと比較してGOサインを出しているだけなのです。
今だけの事を考えているばかりでなくその後の予想を立てなくてはいけませんね。

このように何事も理由があるのです

なぜなのかどうしてなのか物事について興味を持ち掘り下げて知ることはとても大切です。
見た事そのままを単にやってみたいと言うだけでは学びにもなりません。
催眠はそうした学びの中から術師を成長させてくれるのです。
催眠がコミュニケーションに役立つと言われているのは催眠をコミュニケーションに使うからではなく催眠と共に術師が育って行くからなのです。






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