回顧
いっぱいある。昔から音楽を楽しませてくれない人間が嫌いだった。上手く演奏できないとキレる吹部の女の先輩、自分の流派じゃない音楽に毒づく謎の男。私は意地でも音楽をあいつらから守る。
定義なんかなくても音は事実として現実にしっかりと存在していて、言葉なんてのよりも信憑性がずっと高くて尊い。恋人の"愛してる"とか友達の"ずっと"とか家族の"大事"とか、そんなものより裏切らない。人間の信頼とか契約書とかよりよっぽど高貴。
台無しにするな、と思って気づいたら衝動的になって言葉以外の音が鳴る。ここにもまだあるじゃんって安心する。あいつら許さないぞってニヤニヤする。
何回もグルグルした最高級のこれを守る。死ぬ間際に大事な人へ、可愛い巾着に入れて渡せたらいいな。
Sequence_01
https://music.apple.com/jp/album/sequence-01/1149250558?i=1149250620
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?