前職の同期のニューヨーク赴任の報告を受けて思うこと

先日、新卒で入社した会社の同期から連絡があった。海外研修で一年間のニューヨーク支店の勤務が決定したとの報告だった。会社としても期待を寄せる人しか海外研修には送らないし、帰ってきてからも大きな仕事に就くパターンが多いので、この件は本当にすごいことで、心からおめでとうと言った。

ただ、本音を言うととても羨ましかった。彼女とはたまたま同じ部署で、隣の課で、一番近くで切磋琢磨した同期だった。ライバルでもあったし一番仲の良い同期でもあった。

私はやりたいことがあると言って3年で大企業を辞めて、中小企業に転職してやりたかったシステムエンジニアのキャリアを積み、独立した今はさらに少人数の中で働いている。海外での仕事の可能性は今のところゼロ。一方彼女は新卒でやりたい職種に就いて、6年働きついに海外研修に行くことになり、おそらく帰国後も日本を動かすような大きな仕事をしていくだろう。

私もあのまま働き続けていたら海外赴任のチャンスがあったかもしれないのに…と一瞬卑屈になる。
一瞬卑屈になったあと、でもあの仕事をあと3年続けられたか、と考えると絶対に無理だという結論に至る。
色々考えるけど、結局私は自分が納得する決断をしてきたから、最後にはこれで良かったという結論に至ることができる。

友人から転職の相談を受けることがあるけど、自分が心から納得できる理由がないのであればもう少し今の会社で頑張ることをおすすめしている。特に大企業の場合、福利厚生もしっかりしていて、女性が働きやすい環境が整っているし、何より一つ一つの仕事の規模が大きく関わっている人も頭の良い人がわんさかいるので、中小企業ではできないような仕事を簡単に回すことができる。辞めたあとにどうして辞めてしまったんだろうと思ってくよくよしてしまう可能性があるくらいなら、それを捨ててもよいと思える理由が見つかるまでは様子を見る方が自分によって良いと思う。

私もたまに過去を振り返り、二度とあんな大きな仕事をすることはないのかもしれないな…とぼんやりすることがあるけど、今は自分の力で周りの人がびっくりするような商品やサービスを開発できる環境にあるから、ぐるっと考えを一回りさせたところで、私には今の環境が一番良いや、と思えるあたり、良い思考回路を形成したなと思っている。海外赴任したいなら、海外でも通用するようなモノを自分で開発して…などと考えて、大学生みたいな思考回路だな、と自省したりもする。

とにもかくにも、今いる私は過去の私が選んだ私だから、未来の私のために今日も私はパソコンの電源を入れる。

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