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コロナの影響に立ち向かうD2Cという考え方

皆様D2Cという考え方をご存知でしょうか?

一般的で近い概念で言えば「直販」ですが、そこに「デジタルデータを積極活用する」「価値観で購入させる」というポイントを加えたものがD2Cという概念になります。

ものが溢れ、機能や品質での強固な差別化が難しくなってきた昨今。商品単体に対する愛着や魅力で購入してもらうのではなく、ブランドや会社の価値観に共感してもらうというトレンドが起こりつつあります。

今回はそんなD2Cの事例と具体的に実現していくためのポイントを解説いたします。


そもそもD2Cとは?

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出典:株式会社MAISON MARC

D2Cとは、”Direct to Consumer”の略で、企業・メーカーが仲介業者を挟んだり卸しをすることなく、製造者自身が直接、消費者へと商品と情報をお届けすることを指します。

この説明だけ見てしまえば、従来の直販と同じだと思われるかもしれませんが、下記のような特徴を持ちます。
・集客・教育・購買を全てWeb上で行い、ニーズを瞬時に拾い上げられる
・機能ではなくブランドの世界観や価値観で購入する
・消費者は、ただの購入者ではなく同じ世界観を共有するメンバーである

つまり、「魅力的な世界観を作り込んで消費者を囲い込み、デジタル上でのクローズドなコミュニケーションを通じて、定期的に購買してくれる仕組みを作ること」を指します。

Twitter・Youtube・Instagram・自社メディアなどで自分たちの世界観や価値観をじっくり作り込み伝えていき、定期購買してくれるファン層を作っていきます。近年のYoutube市場の成長から、その特性を最大限に生かした自社Youtubeを立ち上げる企業も増えています。また、自社ECサイトやメディアなどで、オフライン市場では把握しづらい関心・販売状況をリアルタイムで把握することができるようになったことで、新商品の企画や商品や売り方の改善などにつなげることも可能になりました。


なぜ今D2Cなのか?

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経済成長に伴い、デジタル技術の向上により多機能商品や量産型の同じような製品が売れるようになりました。中でも、トレンドの俳優やモデルを起用した過剰な演出をする商品はCMにとどまらずドラマなどにも出演し、その商品が飛ぶように売れていました。

しかし、情報とモノが溢れる現代では多機能商品でも、演出による魅力的な商品だとPRをしても売れないことのほうが多い時代です。ユーザーは機能性よりも、自分に合っているかの「共感」といった感情が揺さぶられるかを選択の軸にしているのです。

出典:株式会社MAISON MARC

この新しい購買行動は、ミレニアル世代(20代半ば)に見受けられます。人口構成の関係上、日本ではそのインパクトが軽視されがちですが、海外では名だたる有名メーカーが次々シェアを奪われていくという大きな変化をもたらしています。

日本のマーケットが縮小してきており、海外の人とも容易にコンタクトができるようになってきている昨今、日本のメーカーにとってももはや見過ごせるトレンドではなくなってきています。


食品業界にD2Cがどういう影響を及ぼすのか?

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では、若者層を中心に広がるこの購買行動の変化は、食品業界にどのような影響をもたらすのでしょうか?下記に影響をまとめてみました。

【ポジティブな影響】
・ECサイトでの購買が中心となり、今までリーチしづらかったターゲットにも販売ができるようになる。
・何度もリピートする or LTV※の高いファン層が購買の中心となる。
・機能や価格面で比較される訳ではないため、市場の過当競争に左右されなくなる。
※LTVとは、顧客生涯価値と言い、顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益の総額を指します。

【ネガティブな影響】
・ECやWeb上のデータをうまく活用できなければ、顧客のニーズをうまく把握できない。
・ファン化させるための情報発信ができていないと目にとまることができない。
・顧客を囲い込むためのWeb上・オフライン上でのプラットフォームが求められる。

裏表を返すようになりますが、LTVの向上や過当競争からの脱却というメリットがあるものの、そのためにはオンライン上の分析や囲い込みが前提となるため、Web上でうまく闘う仕組みを築けていなければ、チャンスがピンチに変わってしまう可能性があります。


最後に

D2Cはこれからの販売方法です。まだまだその影響度が低く、”将来への投資”として対応が後手に周りがちな領域です。

ただ、”ファンを作る”・”Web上でのデータを有効活用する”など、一朝一夕ではできない仕組みや長期的な試みが必要です。

後回しにすることなく、少しづつ対応をしていきましょう。

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