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狙うはマハタ!イワシ泳がせ根魚五目釣り/西川名 竜一丸

※掲載終了の「@niftyつり」から2015年1月8日の「ゆるゆる釣り部」釣行記を一部修正して移植しました。イワシを泳がせて大物を狙う五目釣りです。またやりたいなー。


釣り初めは館山での根魚五目

読者の皆様、あけましておめでとうございます。

っていう挨拶は2015年の釣り収めの記事でしましたね。今回は2016年の釣り初めとして訪れた、館山市の西川名から出船する根魚五目のレポートです。

根魚五目っていっても狙う魚はメバルやカサゴじゃないですよ。まあそれも釣れたら釣れたで嬉しいですけど、イワシの泳がせで狙うのは、マハタ、アカハタ、アオハタなどのハタがメインターゲットなのである。ほら、テンション上がるでしょ?

竜一丸では年明けからはじまるこの釣りだが、今年は例年よりも水温がだいぶ高いためか、マハタよりも南の魚であるアカハタが釣れているのだとか。

竜一丸のHPより。これがアカハタかー。
なんだか南国っぽい魚ですね。ちなみにアオハタは青じゃなくて黄色っぽいそうです。

ハタなんて一日に何匹も釣れる魚ではないけれど、おみくじ代わりの運試しということで初釣りに選んでみた次第である。ほら、泳がせ釣りってなんだかロマンがあるじゃないですか。

ちなみにマハタもアカハタもアオハタも釣れない時、船長は泣きながらシロハタ(白旗)をあげるのだとか。涙。どうせ旗を上げるなら大漁旗がいいなー。

いつぞやのイサキ釣り以来でやってきた竜一丸。
集合は港じゃなくて船宿になります。
今年こそ大漁でありますように……
「昨日はマハタもアカハタも渋くて、白旗あげそうになっちゃったよー」と船長。メモる私。

根魚五目の仕掛けについて

さてこの釣りで船長や常連さんが釣り上げてやろうと狙っているのは、5キロを超える大型のマハタだとか。5キロっていうと大五郎のでかいペットボトルよりも重いので、貸し竿のリールに巻かれた糸はPE6号と太い。横流しのヒラメ釣りのように大きく船を流して釣るのではないので、竿はあまり長いものではなく2メートル前後で7:3か6:4調子くらいがオススメとのこと。手持ちがなければとりあえずレンタルタックルでどうぞ。

使用する仕掛けは一本針の胴付きで、アカハタなどであればハリス6号程度のヒラメ用でも上げられるが、大きなマハタが相手となればハリスは10号以上がベターとなるらしい。ちなみに孫バリはトリプルフックだと折れる可能性があるので使用禁止。それくらい大物が潜んでいるということだ。

五目釣りっていうと、いろいろ釣れる初心者向けの釣りというイメージだが、ここの五目はちょっと目の大きさが違うようだ。なんだか心がザワザワするね。ロマンいっぱい夢いっぱい。

船宿で売られているのはハリス6号。大物を狙う場合は自作してきてください。
仕掛けをがんばって自作してきたけどハリス6号だよ。
ということで急遽ハリス8号の仕掛けを作る。これ以上太いハリスは持ってきてないよ。
笑顔の大女将と若女将。いってきまーす。
荷物は軽トラで運んでくれるので、竿だけもって港へゴー。

エサの付け方と釣り方について

このように大物狙いの竜一丸だが、船長や中乗りさんが細かいところまでサポートしてくれるので、初心者がプラっといっても大丈夫。

この日も同行いただいたオールレンタルのオカダタカオさんが、お正月から大仕事をやってのけたのだ。

レッツゴー、大物狙い!
船宿仕掛け+レンタルタックルで挑むオカダタカオさん。中乗りさんのサポート万全。

エサは生きたイワシで、親バリを顔側に、孫バリを尻尾側につける。たまに間違えて孫バリを顔側につけて呆然とすることがあるので注意しつつ、なるべく弱らせないよう手早くハリに掛けて海へと投入しよう。

このときカモメが空から狙っているので要注意。いや本当に。私は1匹奪われました。

エサのイワシ。高級品なので無駄遣いしないようにしよう。
中乗りさんのおすすめは、親バリを口の中から上あごに抜き、孫バリを背に掛ける方法。
昨年行きそびれたワラサ用のハリを使ってみました。
先にイワシを海に入れ、泳ぎ出してからオモリを投入して、リールをサミングしながら海底まで丁寧に落とす。
オモリが海底に着いたらすぐに指示ダナまで上げて待つ。

根魚五目というくらいだから海底の根(岩礁)に住む魚を狙うので、タナは底から1~3メートル程。状況によってはもう少し上げることもあり、船長が状況に応じてアナウンスしてくれるのでそれを守る。

基本的な流れはヒラメ釣りなどと同じだが、水深が変わりやすいポイントを流すので、こまめにタナを取りなおすこと。

船長が考える独特の誘い方をもっと詳しく知りたい場合は、乗船して直接聞いてみてください。意外と忙しい釣りだということが判明しますよ。

竿は自前、リールはレンタルという組み合わせで挑みます。

まずはアカハタ狙いから

さて本日の流れは、まずは浅場で今年好調のアカハタをキープし、そのあとで沖へと移動して大物のマハタを狙ってみようという二段構え。よって使用する仕掛けは前半がハリス6号とオモリ60号、そして後半はハリス8号とオモリ80号。

このハリス8号というのはマハタ狙いにしては細いらしく、大物狙いの常連さんはハリス10号以上の仕掛けしか持ってきていないそうだ。掛かったらすぐに巻き上げないと根に潜られてアウトとなるため、太めの仕掛けで強引に勝負しなければならないのである。よってドラグはきつめに締めておくこと。

海底付近を元気に泳ぐイワシをイメージしながら、竿先を見つめてアタリを待つ。水深は25メートル前後。マハタに比べれば小さいというアカハタ狙いだが、館山沖はどんな大物が掛かるかわからないので油断はできない。

鍋にしようか、刺身にしようか。もう釣れた後のことを考えています。

まず当たったのは中乗りさんの竿。といってもイワシの泳がせではなく、サバの切り身を使ったカサゴ狙い。根魚は潮が合ったときにパタパタと釣れることが多いので、カサゴが釣れている時こそアカハタやマハタのビッグチャンス!

中乗りさんの竿は我々にとってのアンテナなのである。

釣りを開始してすぐに当たった!
しかし掛かったのはウツボ。南房総のあるあるネタだ。

おっと、残念。最初のアタリはウツボだったようだ。サバエサだけでなくイワシエサに掛かってくることもあるそうなので、もし私に掛かったらキープするか悩んでいたら(噛まれると指がもげるのでリリースしましょう)、今度こそカサゴがヒット。

ということはチャンスタイムということか!

サバエサで釣れたでかいカサゴ!

よしよしよし、まずはこのポイントで正月らしい真っ赤なアカハタを1匹釣り上げて、「これが俺の初日の出やー!」と叫んでやろうか。

さあさあさあ、竿先よ曲がれ。ぐいぐいと曲がれ。曲がれったら曲がれ。

だがしかし、中学生の頃にチャレンジしたスプーン曲げのように、竿は思い通りには曲がってくれなかった。

おやおやおや?

「なかなか難しいね」と同じくノーヒットのオカダタカオさん。

マハタ狙いで大逆転を狙う

今年好調だというアカハタは本日不在。残念無念。

だがしかし、南国系のアカハタが釣れないということは、より低い水温を好むマハタが釣れる日ということだろう。きっと今日からマハタの出番。新装開店サービス開始。

そんなプラス思考で仕掛けを太いものにチェンジ。5キロのマハタだったら何日寝かせてから食べるべきかと気の早すぎる悩みを中乗りさんに相談する。釣らぬマハタのなんとやら。

オモリを80号にチェンジ。
水深は60メートル前後。何度も仕掛けを入れ直す釣りじゃないので手巻きリールで十分。

このポイントでは人間レーダー役の中乗りさんの竿にオニカサゴが連発。こりゃいけるんじゃないかなと集中するのだが、どうにもアタリはやってこない。

イワシの泳がせをやめてこっちもサバエサで夕飯の確保に励もうかと思ってしまうが、ここで我慢しないでどうするのだと己を律する。そう、狙うのはあくまで大物のマハタなのだ。

オニカサゴはヒレに毒があるので気を付けましょう。

それにしても釣れない。まったく釣れない。あまりにも釣れないので寝不足気味のオカダさんは竿を置いて一休み。私はロールケーキをムシャムシャしながらまったりタイム。船長の話だと、潮の流れがいつもの半分以下なのだとか。

こりゃ今年の初釣りは二人揃ってボウズかなーなんて思っていたのだが、竿が空いているのももったいないと、船長が操船しながらオカダさんのレンタルタックルを手にしたところ、なんとすぐにヒット到来。なんだこの展開は。

空いていたオカダさんの竿を使って仕掛けを入れてみる船長。
するとすぐにグイーンですよ。

上がってきたのはハタではなくヒラメだったが、それでも我々の気持ちを上げてくれる一匹だ。

潮が流れない今日みたいな日でも、釣れる人は釣れるんですねー。よし、がんばるか。

ナイスヒラメ!
カサゴ狙いの中乗りさんは順調のようです。

オカダさんが立派なマハタを釣り上げた!

船長が釣り上げたヒラメをみて元気を取り戻した我々は、タナや誘い方など細かいアドバイスをもらって再チャレンジ。せめて私とオカダさんのどっちかが1匹釣りたいところである。

竿先に集中するオカダさん。
イワシを泳がせていたはずが、なぜかヒメ(トンボ)に変わっているというイリュージョンをみせるオカダさん。

するとしばらくして、グイーンと一気に竿が曲がる強烈なアタリが到来。……オカダさんの竿に。

ヒラメやマゴチと違ってハタの仲間はイワシを一飲みにするため、こういうアタリが多いらしい。ということは大本命のマハタだろうか。

ガツーンというアタリ到来!まずは最初のツッコミに耐えて数メートル浮上させる。
「この引きはマグロクラスだよ!」と興奮するオカダさん。

オカダさんが「これはマハタ!絶対マハタ!」と念じながら格闘していると、置き竿にしていた私の竿にもアタリ到来!

でもこれはオカダさんとのオマツリでショボーン。

オカダさんの獲物を邪魔しないようにこっちの竿を操っていると、フワッと大物が浮上してきた!

おおおおお!
ナイスなマハタ!まさかの逆転ホームラン!

上がってきたのは2.1キロの見事なマハタ。いわずとしれた超高級魚である。鍋や刺身にしたら10人前くらいはありそうだ。なるほど、こりゃ釣れたら楽しい釣りですな。まあ釣れなくても楽しいんだけどさ。

「今年の運を使っちゃったかなー」と笑いの止まらないオカダさん。おみくじ代わりの初釣りの結果は大吉ですね。まあ俺は釣りキチだけどね。っていうほどでもないですけどね!

でっかい口だなー。ここに指を入れて持ったらダメですよ。

「マハタは1匹だけじゃないよ!もっといるはずだよ!」という船長のアナウンス通り、反対側で釣っていた常連さんにもマハタがヒット。

潮が流れず苦しい展開だったが、時合いを制した人は無事大本命のマハタを釣り上げることに成功。おめでとうございます!

そんなこんなで私は久しぶりの完全ノーヒットの白旗に終わったのだが、たっぷりと緊張感を味わえたのでいいんですよ。ボウズ覚悟のなかなか釣れない釣りだからこそ、挑む価値があるんですよ。

でももう少ーしアタリの多い日だったらよかったんですが、こればっかりは仕方のないことですね。グギギギギ。

厳しい日に価値ある1匹!
私の釣果。って釣果じゃないね。
今度は大物釣らせていただきます!
港に戻って今日のチャンプを記念撮影。おや、マハタのシマシマが消えましたね。
お昼ご飯のサービス付。なんと煮込みを掛ける味噌ラーメン!
これがうまいんですよ。寒い日には最高のランチだわー。
そして後日送られてきたオカダさんの調理写真。
しゃぶしゃぶがうまかったそうです。半身送ろうかという申し出を断ったことをうっすら後悔。いや自分で釣る。
私の夕ご飯(エサに使ったイワシ)。ほろ苦いぜ。

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