一日の釣りで二度楽しい!冬のタチウオ&アジのリレー船/久里浜 黒川丸
久里浜からタチウオ&アジのリレー船
2016年、あけましておめでとうございます。
なんて挨拶をしつつですね、今年最初の記事は2015年の釣り収めのレポートで恐縮です。ということで紹介するのは久里浜の黒川丸(黒川本家)。釣りものはタチウオとアジのリレーで、20011年1月にまったく同じ船宿、同じ釣りものをやっているんですよね。あれから5年も経ったのか―。そりゃ体脂肪も増える訳だー。
さてあの頃から大きく変わった点といえば、私の経年劣化は置いておいて、冬のタチウオ釣りにもライト化の波が訪れたことですかね。前は黒川丸でも冬場はビシアジと同じタックルで釣る人が多かったけれど、今はPE3号以下を巻いた小型電動と少し軽いオモリでやるのが主流のようです。
ところで2015年の流行語大賞が「トリプルスリー」だったので、いっちょ私も目指してみましょうか。なにをもってトリプルスリーとするかは表現の自由ということで、今回は一応タチウオ3本、アジ30センチオーバー、そして朝3時起きっていうことでどうですかね。
レンタルのノーマルタックルでも楽しめます
冬のタチウオ釣りは夏に比べれば難しい印象があるかもしれないが、釣れているタイミングなら挑戦し甲斐のあるターゲット(どんな釣りもそうですが)。そこで船釣り歴がまだ浅い友人にオールレンタルで挑んでいただくことにした。彼は夏のタチウオなら手巻きでやったことがあるけれど、冬の深場は初体験とのこと。
船宿で借りたレンタルタックルはPE4号の電動リールとビシアジ竿の組み合わせ。私が使うのはPE1号を巻いた小型電動リールのタックル。ノーマルタックルとライトタックルが隣り合うことになるのだが、道糸の太さに合わせたオモリの重さが船長から指示されるため、オマツリが多発するということはないようだ。もちろん多少はありますけどね。
タチウオ釣りの仕掛けとエサの付け方
タチウオ釣りの仕掛けは、片テンビンにオモリをぶら下げた一本針という超シンプルなもの。この日のオモリの重さはPE2号以下なら80号、3号は100号、4号は120号との指示でした。
ライトでもノーマルでも、オモリ以外は基本的に同じものを使用。ハリスは6~8号を2メートル、ハリはタチウオ専用で2/0か3/0と書かれた大きめがおすすめ。ハリの結び目を保護するパイプの有無やテンビンの形状などはお好みで。
付けエサはサバの切り身で、これを縫い刺しにする。ハリを刺すのは身からでも皮からでも、背からでも腹からでもお好みで。コツはとにかく中心線に沿ってまっすぐつけることで、上手に付ければ海中での動きが滑らかとなり、タチウオの食いが断然よくなるよ。
タチウオの誘いから取り込みまで
タチウオの釣り方は人によって様々だが、指示されたタナの範囲で下から誘い上げていくというのが基本となる。たとえば船長から「底から15メートル」とアナウンスがあれば、仕掛けをまず底まで落として、とりあえずハリス分巻き上げて、竿の動きで誘いながらリールを巻いていき、15メートル上げてアタリがなければ、また底まで落とすという繰り返し。
以下、船長の誘い方を一例としてご紹介。これを基本として考えて、その日の活性にあった誘いのリズムを探してください。前アタリと呼ばれるカツカツっとエサにかじりつくアタリを出してから、グーンと竿先が絞り込まれる本アタリを出すのが難しくも楽しいところなんですよ。
タチウオは大物ほどエサの追いが悪く、特に冬場は前アタリのあとに掛けるまでが難しいそうです。そして本アタリのあとに合わせが遅れると、鋭い歯でハリスを切られることも多いのでご注意を。
とまあこんな感じですが、黒川丸にいけば船長が手取り足取り教えてくれるので、初めての方は少し早めに着くようにしてレクチャーを受けてください。
メーターオーバーのタチウオが連発!
さてここからは実釣編。結論を先に言うと、隣でやっていたレンタルタックルのKさんが9本、そして自前のライトタックルで挑んだ私が7本でした。まーけーたー。いや、楽しかったからいいんですけどね。いやでもね、まーけーたー。
なにがあったのかは写真とキャプションで一気にバーンと読んでください。
まーけーたー……
ということで、この日の私は前アタリがあっても本アタリを引き出すのがヘタクソで、ハリを飲まれてハリスを切られることも多く、無事に釣り上げられる割合が3割以下という感じ。打率低いわ―。次はワイヤーのハリスを使ってみようかなー。
エサをサバかアジか、竿は柔らかめか硬めか、ハリスにパイプを付けるべきか、誘いのテンポはどれくらいかと、中途半端な知識をフル動員して迷いまくった結果、船長から教わった基本を忠実に守ったビギナーのKさんのほうが釣れたという「釣りあるある」の結果になった感じですかね。
とはいえメーターオーバーの良型が中心なので、7本も釣れれば十分満足。でももうちょっとうまくやれば15本くらい釣れたよなー。ちなみに9本釣ったKさんは、最初は3本釣れれば御の字と言っていたけれど、「ツ抜けまでもうちょっとだったのにー!」と悔しがっておりました。
さて今シーズンのタチウオですが、まだまだ水温が高めなので1月いっぱいくらいは余裕で楽しめるのではとのことでした。2月以降も釣れ続けている間は出船するそうなので、ぜひ暇を作ってチャレンジしてみてください。冬のタチウオは夏とは違った魅力がありますよ。
後半戦はビシアジ釣り
さあ前半戦のタチウオ釣りをたっぷりと楽しんだ後は、後半戦のビシアジ釣り。最近流行りの30号とか40号のビシ(コマセカゴとオモリが一体になった道具)を使うライトタックルではなく、オーソドックスな130号ビシを使ったアジ釣りである。
このビシアジ釣りは道糸がPE4号前後と太くなるので、タチウオをライトタックルでやる場合は別途タックルの用意が必要なのでご注意を。なければPE4号の電動リールセットを借りましょう。あえて手巻きでもいいかもね。
ちなみに前半戦、後半戦と書きましたけど、時間の配分としては8:2くらいでタチウオの方が長いです。あっという間のアジ釣りでしたが、これくらいが集中できてちょうどいいかもね。アジ釣りをもっとやりたいよという人は、アジ専門船もでているのでそちらをどうぞ。
私の使った道具は、ビシアジ専用竿とPE4号の電動リール。片テンビンに船宿から借りたビシをぶらさげ、大物対策にクッションゴムをつけてみた。ただライトタックルと違って太めの糸と硬めの竿を使うので、小さいアジとか外道のトラギスが掛かった時に、クッションゴムがあると吸収しすぎてアタリがわかりにくいかもなーという感じ。
クッションゴムを付けるかどうかは、タチウオ釣りにおける蛍光チューブと同じく迷ってしまうポイントですね。
ビシアジの基本的であろう釣り方
アジは基本的に底付近を泳いでいるので、指示されるタナ(ビシの位置)は海底から2メートル前後。まず仕掛けを底まで落とし、道糸がなるべくまっすぐになるように糸ふけをとったら、軽くコマセを出しながらビシを底から指示棚まで上げて待つ。
しばらく待ってアタリが無ければ、竿を降ってコマセを出して(一度底をとりなおして下から撒くのもいいですね)、それでもアタリが無ければ回収するという感じですかね。
アタリがあったら追い食いをさせる場合はそのまま待って、適当なタイミングで巻き上げる。そしてタチウオの取り込みと同じように天秤を掴んで、ハリスを手で持って抜きあげるのだが、タチウオ以上にポロリあり。アジは口が切れやすいので、大型だったらできればタモを使うと安全。ただし仕掛けが網に絡んでイラッとするかもね。
コツというほどじゃないですけど、こまめにコマセを入れ直すこと、仕掛けが絡んでいないこと、タナがずれていないこと、この辺りをちゃんと守ればそこそこ釣れると思います。仕掛けが絡んだら無理にほどこうとせずにさっさと新しい仕掛けに交換。ヘロヘロになった仕掛けじゃ釣れないし時間がもったいないですからね。
短時間ながら大型を釣ることに成功!
この日の釣り場は高級アジで有名な走水。その名の通りに潮が速いので、ビシの軽いライトタックルではなかなか攻められない一級ポイント。数はそこそこでいいから30センチオーバーの良型を釣ってみたいかな。
さあリレー船のアジ釣りは短期決戦。移動の合間に一眠りして体力を充電したところで、走水のうまいアジを釣ってやりましょうかね。
ということで写真とキャプションでお楽しみください。涙を拭くハンカチを用意した方がいいかもしれませんよ。しくしくしく……
さあさあアジフライにするくらいのアジが釣れたところで、そろそろ良型の刺身サイズが釣りたいところ。大きさを選んで釣ることはできないんだけれど、おまじない程度にエサを大きめにしてビッグサイズが釣れろと念じていると、今までとはレベルの違うアタリが到来。レベルが違うんですよ、レベルが。
こりゃ追い食いを待っている場合じゃないなと竿を優しく持ち上げて聞きアワセをすると、ググググとハリス2号の細仕掛けが引っ張られる。おっとっと。あー、切れる、切れちゃう、切れないでー。
おっとっと、わったった、おっほっほと、魚とのやりとりを楽しみ、少しずつ巻き上げていく。この引きなら軽く30センチオーバーだろう。いや走水なら憧れの40センチオーバーかも。
2号のハリスが切れないように丁寧にやりとりをしていたのだが、グーンと一気に走られたところでフッと軽くなってしまった。あー切られた―。いやでもハリスが切れたにしては軽すぎる。あれあれあれ。
あー、道糸が切れてるー!
魚に引っ張られて2号のハリスではなくて4号の道糸が切れるっていうのは普通ありえないんだけど、心当たりがあるんですよね。この電動リールを買ったのが2010年の8月で、それから5年以上が経つんだけど、一回も糸を巻き替えてないんですよねー。テヘペロ。そりゃ糸も劣化しますよねー。
いやー、いつか交換しなければと思いつつも、先延ばしにしていたのが悪かったなー。せめて糸の先端10メートルは小まめに切ってあげるべきだったよねー。さようならー、大きなアジとテンビンと借り物のビシとクッションゴム。あー……
後悔先に立たず。このレポートを反面教師として皆様にはしっかり道具の確認をしていただくとして、船長から変わりのビシを借りて再挑戦。まだ心は折れていませんよ。
するとまたもや大物がヒット。今度は道糸もハリスも切れずにナイスサイズのアジをゲット。走水らしい筋肉質かつ脂の乗ったナイスプロポーション!いやでも道糸が切れた時のほうが大型だったよなー……
なんて後悔もありましたが、そんなこんなで大型2匹と8匹を釣って納竿。前半戦のタチウオと合わせて30リットルのクーラーボックスは満タン。ビシアジ釣り、久しぶりにやったけれど楽しいなー。次はアジ専門でやってもいいかなー。
ということで、タチウオとアジのリレー釣りを堪能させていただきました。一つの獲物じゃ満足しないベテランにも、いろんな釣りをやってみたいという初心者にもおすすめです!
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