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次世代インターネットとしてのメタバース

メタバースは次世代のインターネットの姿であるという言説は多い。現在のインターネットのさまざまな機能は残りつつも、3D空間による新たな価値が創造されるはずだ。それらがどういうものになっていくだろうか?

まず、情報検索。文字情報の検索をマイノリティレポートのように両腕を振り回すような操作で行える、ではない。そういった身体を使った操作は、見た目は格好いいが、肉体的にすぐに疲れてしまう。キーボード・マウスやゲームコントローラは最小の運動のエネルギーで情報操作ができるようになっている。

メタバース的空間で検索されるものは、情報というよりも体験の検索だろう。ゴルフのスイング、魚の捌き方、組み立て家具の作り方、あるいは、大自然や建築、過去の歴史的イベントなど。普通に体験できないもの、2Dの映像ではどうしても正確に掴めない動きを見たり、あるいは自分の動作と重ね合わせることによってその違いを認識できるようになる。NeRFのような技術を使えば、特殊なカメラを使わなくても、スマホカメラで撮影したビデオからそれなりの3D映像を作り出せるようになるだろう。

eCommerce はもっとも進化の余地がある分野だと考えている。今のAmazonや楽天での購入体験はもう20年くらい変わっていなくて、小さなサムネイル画像と、嘘が書いてあるかもしれない他人の5 star ratingを手がかりに、購入をするしかない。これが、立体物としてのサイズ感がわかり、使ってみる環境における簡単なシミュレーションができるだけで、判断の幅が広がる。
例えば、服を店で試着するだけでなく、その服を着ていくビーチのレストランの風景の中で自分のアバターに着せてみてみるなんてこともできる。ねじ回しのような工具を買う際に、実際にサイズが合うのかなどを確認することもできる。

現在のソーシャルメディアは、自分が何をしたか、何を考えたかなどを発信している。それが仲間内に閉じている間は良いが、コンテキストを外れて拡散するとさまざまな問題が発生する。また、切り取られた情報だけだと、誤解・曲解を招く。
普通の人が普通に日常の話をする際は、コンテキスト、つまり話者こそがすべてである。話者が信用できる人であれば、言っていることに多少の間違えがあっても補正されるし、非言語情報から得られるものも多い。
常にリアルタイムでコミュニケーションしている必要はなく、興味ある会話であれば他人同士が話しているものを後でみても良い。全てが音声情報だと自分が興味ある情報に辿り着くのに時間がかかりすぎるので、AIによる文字化・要約・翻訳なども役立つ。

まだまだ他にもありそうだ。


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