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オーストリア/春のザルツカンマーグート、アッター湖の風景

クリムトやマーラーなどの著名人が夏の避暑地として通っていたことで有名な、ザルツカンマーグートのアッター湖周辺ですが、今回は春の風景をご紹介します。

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この辺りは人気の避暑地で、夏には避暑のために訪れるお客さんでにぎわいますが、春先はまだ静かで、ゆったりとした気持ちで、一足遅いアルプスの春を楽しめます。

まだ泳ぐには水は冷たいですが、ハイキングやセイリング、パラグライダー等を楽しむにはピッタリの季節です。上の写真でも、湖面に白いセイリングボートが浮かんでいますね。

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湖畔のベンチでゆっくり休憩するのもいいですね。

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湖を見下ろす絶景レストラン。地元民と訪問客でにぎわいます。日差しがきつく、半そでの人も見受けられます。

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このレストランの裏手には、鹿の群れと触れ合える保護区があり、ヤギ、ウサギ、シカなどに、フェンス越しに餌をやることができます。特に春先は動物の子供が生まれる時期なので、見れていてもとても楽しいです。

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「地獄山脈」と呼ばれている山々。ハイキングで頂上まで登ることができ、山のヒュッテで一休みできます。

夕方になってくると、ウィーンでは見かけない光景に出合いました。下の写真の、湖の向こう岸の山の中腹で、ひときわ明るくなっているところがわかるでしょうか?

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これは、ウィーンではあまり見かけない習慣ですが、「イースターのたき火」Osterfeuerという、この時期特有のお祭りです。

地元の人たちが集まり、1メートル以上の高さに組み上げた木の櫓のようなものに火をつけ、燃え上がるのを見ながらお酒を飲む、と言った趣向です。

この習慣は、アルプス地方ではとても人気で、小さな村の中でいくつも巨大なたき火が上がるそうです。面白いことに、この習慣は法律でも色々と定められており、ケルンテン州では乾燥のため禁止されているほか、シュタイヤーマルク州の州都グラーツでも、市内ではたき火は禁止されています。ただ、シュタイヤーマルク州のグラーツ以外の場所では、地域的なものだけでなく、個人の庭であっても、届け出を出せば誰でもこの巨大なたき火を組むことができるそうです。

元々イースターの時期に燃やされるたき火ですので、キリスト教のお祭りの一部と考えられがちですが(一部では、ユダの形の人形を燃やすところもあるようです)、元々はキリスト教が伝わる前の土着のお祭りで、冬を追いやり春を迎えるという意味があるとされていました。

夏に最も人気のザルツカンマーグートですが、春には春特有の楽しみがあります。冬には休業していても、イースターごろから営業を再開する施設やレストランも多くありますので、ぜひこの時期にも訪れてみてくださいね。

(2014年4月執筆)

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