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オーストリア/ザルツカンマーグート四大湖

夏の避暑地として世界的に有名な、オーストリアのザルツカンマーグート地方。アルプスと湖に囲まれた、絵葉書のように美しい景色は、いつ来ても素晴らしいものです。

今日はそんなザルツカンマーグートを代表する四つの湖をご紹介します。

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アルプスをハイキングすると、こんな景色に巡り合えます

ザルツカンマーグートには無数の湖がありますが、特に大きく有名なのが、アッター湖(Attersee)、ヴォルフガング湖(Wolfgangsee)、モンド湖(Mondsee)とトラウン湖(Traunsee)の四つです。このうちアッター湖とヴォルフガング湖、モンド湖は、アッヒェ川によってつながっていて、水の行き来があります。

アッター湖はザルツカンマーグート最大であるだけでなく、オーストリア国内最大の湖です。(ノイジードラー湖とボーデン湖のほうが大きいですが、どちらもオーストリアと隣国との共同領土となっています。)

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クリムト所縁の地、ウンターアッハからアッター湖を臨んで。背景は「地獄山脈」

湖の南東に「地獄山脈」という意味のヘレンゲビァゲ(Hoellengebirge)が聳え立ち、ほかの湖に比べて観光客が少なく静かなため、昔からオーストリア人芸術家の隠れた避暑地として知られています。有名なところでは、クリムトやマーラー、最近ではオペラ座総監督で指揮者のヴェルザー・メスト氏が夏を過ごすことで有名です。

この湖は、同じアッヒェ川でつながっているヴォルフガング湖やモンド湖よりも水深が深く(オーストリアで最も深い湖です)、そのため水温がかなり低くなっています。また、水深が深いこともあり、スキューバダイビングをする人も多くいます。

ヴォルフガング湖は、有名なオペレッタ「白馬亭にて」の舞台となり、今は観光地となっているサンクト・ヴォルフガングや、モーツァルトの母の出身地で、姉ナンネールの嫁ぎ先として有名な、サンクト・ギルゲンを湖畔に持ち、観光客でにぎわいます。背景には、映画サウンド・オブ・ミュージックで登場した有名はシャーフベルクを従え、牧歌的な景色に溶け込んでいます。

この湖は、ザルツカンマーグート4大湖の中では水深が最も浅く、水温が高いのが特徴です。サンクト・ヴォルフガングなどの観光地では、足こぎボートなども気軽に借りられますので、観光客でも気軽に水遊びが楽しめます。

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ヴォルフガング湖とサンクト・ヴォルフガング。背景の山はシャーフベルク。

モンド湖は、直訳すると「月の湖」という意味ですが、その名の通り三日月の形をしています。

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シャーフベルクの頂上からのモンド湖の景色

モンド湖畔の町モンドゼーは、サウンド・オブ・ミュージックの撮影で使われた教会が立ち、こちらも観光客に人気です。ヴォルフガング湖に比べて観光客は少なめですが、それでもサウンド・オブ・ミュージックファンが世界中から訪れます。モンド湖はヴォルフガング湖ほどではないですが、水深が比較的浅めで、水温も高めなので、気軽にウォータースポーツが楽しめます。

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シャーフベルクを背景に、モンド湖畔の町モンドゼーから

トラウン湖畔には、グムンデン焼きで有名なグムンデンがあり、湖島に建つオルト城(Schloss Orth)も映画やドラマの撮影などでよく知られています。グムンデンの町が比較的大きめな為か、ほかの三つの湖よりも、町歩きやショッピング向けといった印象があります。

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トラウン湖の観光船

トラウン湖は水温の低いトラウン川が流れ込み、水中まで切り立った崖が続いていて水深が比較的深いので、この四つの湖では水温が一番低いと言われています。

このように、ザルツカンマーグートでは、湖によって様々な表情が楽しめます。毎年ザルツカンマーグートで夏を過ごしていますが、まだまだ行きたいところややってみたいことがたくさんあり、避暑でゆっくりするにも、ウォータースポーツや観光に充実した日々を送るにも、最適な環境にあります。ぜひオーストリアに夏来られる方は、ぜひザルツカンマーグートでゆっくり過ごしてみてください。

(2013年7月執筆)


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