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オーストリア/ウィーン 白アスパラ専門店マーヒフェルダーホフ
オーストリアの春の風物詩といえば、白アスパラ。少し暖かくなったら、スーパーの店頭やレストランのメニューには白アスパラが並び、ウィーン人たちはこぞって初物を楽しみます。ドイツ語で白アスパラはSpargel(シュパーゲル)。日本のように緑もありますが、白のほうがメジャーなようです。
私も白アスパラは大好物なので、この季節はほぼ毎日欠かさず食べても飽きません。知り合いに教えてもらった農家まで行って新鮮な白アスパラをまとめて仕入れ、毎日アスパラ料理に明け暮れます。
右が立派な太い白アスパラ。
皮をむいてたっぷりのお湯で茹で、ソースオランデーズをかけて食べるのが普通なんですが、家で作るときはオーブンでホイル蒸しが簡単で美味しくできます。細いアスパラはリゾットやクリームスープにします。
毎日家でアスパラを食べていても、シーズンに一度はちゃんとしたレストランでも食べてみたくなります。そんな時は、アスパラ専門店マーヒフェルダーホフ(Marchfelderhof)。ウィーン郊外なので、市内からだと電車を乗り継いで行くことになりますが、いろんな意味でその価値ありです!
.アスパラ専門店マーヒフェルダーホフ外観
まずは、そのキッチュで派手な外観!これでもか!というくらい、アスパラ天国を演出しています。建物の上にはラテン語で「アスパラが法でお客様が王」と書いてあります。
入口にはこんな巨大な白アスパラの像まで。
「アスパラ共和国の国境注意」「オーストリア、アスパラの首都にようこそ」と書いてある看板
中に入ると、キッチュな内装で気分が盛り上がります。エリザベート皇妃や皇帝フランツヨーゼフの絵や銅像も多くあり、シシィファンとしてはウキウキします。
こんな風に、外装も内装も派手で遊び心満載ですが、ここは由緒あるレストラン。海外からの来賓や有名人が多く来店し、店内には著名な来店者の名前がプレートに彫られています。前回の記事にも登場した、前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世もここに立ち寄っただけでなく、カラヤンやエリザベス・テイラーなど、そうそうたる著名人が来店しています。
また、このマーヒフェルダーホフがあるヴァグラム(Wagram)という地域は、歴史的にも重要な場所です。19世紀初頭、オーストリアはナポレオンと2度に渡って戦争をしています。その最初のものは1809年4月のアスペルン・エスリンク(Aspern-Essling)の戦いで、この時オーストリアはナポレオン軍を破ります(ナポレオン最初の敗北)。しかし、同じ年の9月に再びナポレオンはオーストリアを攻め、この地ヴァグラムでオーストリア軍を破ります。この勝利でナポレオンはオーストリア皇女マリー・ルイーズを皇后に迎え、覇権の絶頂期を迎えますが、同時にこのヴァグラムの戦いが、ナポレオンの最後の勝利となります。
さて、歴史のお勉強も終わったところで、肝心のアスパラ料理の登場です。このレストランでシーズン中に食べられるのは、定番の茹でた白アスパラのソースオランデーズ掛けの他に、白アスパラのクリームスープ、白アスパラのムース、白アスパラのリゾット、白アスパラのポトフ、白アスパラのスモークサーモン添えなどがありますが、イチオシは「シュパーゲル&シュパーゲル」です。茹でた白アスパラとカリッと衣を付けて揚げた白アスパラが両方楽しめます。
ジューシーな茹でた白アスパラとカリッと衣を付けて揚げた白アスパラをソースオランデーズとタルタルソースで。白アスパラ好きにとっては至福の瞬間です。
この時期にオーストリアに来られる方は、是非白アスパラを食べてみてくださいね。
(2012年4月執筆)
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