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復刻記事

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阪急交通社で連載していた記事を復刻します。
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#建築

ウィーンもドナウ河も一望に見渡せる、オーストリア一高い「ドナウタワー」

ウィーンの中心シュテファン大聖堂から地下鉄で10分、国連都市のすぐそばに、ドナウパークと言う大きな公園が広がっています。その真ん中に聳え立つのが、ウィーンのランドマークの一つとも言える「ドナウタワー」。 オーストリア一高い建物でもある252メートルのドナウタワーは、高速エレベーターで一気に上がることができ、展望台からはウィーン市街だけでなく、ドナウ河、ウィーンの森、国連都市など、ウィーンにまつわる全てを一望することができます。 ドナウタワーからドナウ川とウィーン旧市街を眼

650年の歴史を持つウィーン大学今昔

今年はウィーン旧市街を囲むリンク大通り開通150周年の記念の年です。そのリンク大通り沿いに聳え立つウィーン大学は、今年で創立650年を迎えます。この建物の図書館などは、今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートのバレエの会場にも選ばれましたね。今日はそんなウィーン大学の歴史と今をお届けします。 創立650年記念の旗がはためくウィーン大学 1365年にルドルフ4世によって創立された、ドイツ語圏最古のウィーン大学。創立当時は学部ごとに、ウィーン旧市街に分散していたウィーン大

オーストリア/ウィーンの森に佇むエリザベート皇后の礼拝堂

オーストリア人は山歩きが大好き。特にウィーンの西から南にかけて広がるウィーンの森は、ウィーン人が手軽に散策やハイキングを楽しめる便利な山や散歩道があり、市民の憩いの場となっています。 特に、ワインの名産地で小高い山になっている、カーレンベルク、レオポルズベルク周辺は、天気のよい週末になれば家族連れや老夫婦など、老若男女こぞってきれいな空気と景色を楽しみにやってきます。 今日は、そんなウィーンの森の隠れた見所の一つで、ハプスブルク帝国の皇后エリザベートにちなんだ、「シシィの

オーストリア/フンデルトヴァッサー建築 聖バルバラ教会

親日家としても有名な、オーストリア人芸術家で建築家のフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(Friedensreich Hundertwasser)。ウィーンでは、シュピッテラウのごみ焼却場やフンデルトヴァッサーハウス、クンストハウス・ウィーンなど、直線を使わない特徴的な建築が随所に見られます。日本では、大阪のごみ焼却場が彼のデザインによるものとして有名です。 彼の建築の中でも特に交通の便が悪く、不便なところにあるのがこの聖バルバラ教会。シュタイヤーマルク州のベルンバッハ

オーストリア/ウィーン旧市街、知られざる最古の教会探索

日中の気温がマイナスの日は減ったものの、通りにはまだ雪が積もったままのウィーンです。 カトリックの国オーストリアの首都ウィーンの旧市街には、街のシンボルシュテファン大聖堂以外にも、20個以上の教会があります。1万7千人近くの住民に対し多すぎる気もするのですが、教会ごとに機能や宗派が異なり、上手く棲み分けができているようです。今日はそんな中からウィーン最古の教会を三つ、歴史を交えてご紹介します。 まずは、現存するウィーン最古の教会、ルプレヒト教会。噂には聞いていたのですが、

黄金のユーゲントシュティル建築オットー・ワーグナーのシュタインホーフ教会

今年は暖冬のウィーンですが、やっと雪が降ったかと思えば大吹雪だったり、急に晴れたり。不思議なお天気が続いています。 雪のおかげで素敵な写真が撮れたので、今回はオットー・ワーグナー(Otto Wagner)が設計したユーゲントシュティル様式(Jugendstill、アール・ヌーボー様式のこと)のシュタインホーフ教会(Kirche am Steinhof)のご紹介です。 シェーンブルン宮殿のグロリエッテから左手に見える、きらっと光るドーム状の建築物がこの教会です。場所は一応ウ