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ニッポンの常識?

● カロリーメイトは「ご飯」?

中学校のお弁当にふさわしい中味とは何でしょう?
「カロリーメイト」「ヴィダinゼリー」「コーンフレークと牛乳」「カップ麺とお湯」「弁当箱に入ったショートケーキ」・・・
過去にボクを驚かさせてくれたメニューの数々です。
「こういうのは,<食事>とは言わない」
「ここは,〈ニッポンの常識〉に従ったお弁当を用意してもらってください」--そんなことを話しました。

● 「おやつ」は必要?

 毎年学校内で見つかるアメやガムの包み紙。先週も1年生の教室で発見されました。「学校にお菓子を持ってきてはいけません。もらって食べてもいけません」--そんなことを話しました。

● 「制汗剤」はエチケット?

 ある日のこと,教室に入るなり「先生,くさ~い」
エッ失礼な!ボクは臭(くさ)くなんかない!
・・・ムッと来たけれどそれは勘違いでした。
教室が「制汗剤くさい」というのです。確かにね。
制汗剤を使う人は,「(自分が,他人が)汗臭(くさ)いのはいや」「汗臭くしないのはエチケット」と主張します。
な~るほど。
それに対し,制汗剤をいやがる人は,「そっちの方が臭い」「不要物だ!」と反論します。
な~るほど。
ところで,ボクはこう考えています。

(1)〈程度の問題〉を他人に押しつけない。
 「汗臭いのがイヤだ」というのは程度の問題です。人によって我慢できる程度には差があります。「制汗剤の匂いが好きかきらいか」も同じ。
でも,「教室中が臭くなるほど汗臭い人」は存在しません。それに対して,「制汗剤臭(しゆう)は教室中に広がります」。
迷惑の程度は制汗剤の方がはるかに高いのではないでしょうか。

(2)スプレーは健康被害をもたらす。
 忘れてはならないのは,「ぜんそく」など呼吸器の弱い体質の人にとってスプレーは危険だということ。不必要に吸い込んでしまうと発作が起きてしまうことだってあります。

 あなたたちは思春期なので,生物の本能として匂い(におい)に敏感になりがちです。だから,色々気になることもあるでしょうが,(1)と(2)を良く読んで,ここは理性で判断してください。

● 〈今の常識〉は,〈過去や未来の非常識〉?

 「お弁当を買って持ってくる」--そんなことはボクの子ども時代には〈非常識〉でした。そもそも冷凍食品やコンビニなんてなかったしね。
「アメリカの学校では生徒も先生も(!)ガムをかみながら授業をしている」--以前ビデオで見てびっくりしました。
時代や所が違えば,〈常識〉もまた変わるのです。
言い換えれば,「〈自分の常識〉は,他人にとっては〈非常識〉かもしれない」と意識することはとても大切です。

ですから,「〈常識〉だから」と言うだけでなく,時には,どうしてそういうことがダメとされているのかを,自分で考えたり周りの人と話し合ってみるのも良いでしょうね。

―― 以上です。
もうすぐ4月が終わります。スタートの時期は,なんとなく「良い子」だった人たちも,次第に「よそ行きの姿」から「素の姿」に移行していきます。
いろいろな自己主張,ワガママがぶつかり合う季節。そんな時期に出す「定番」の学級通信です。ところでこれを書いたのは2009年。なんと14年も昔です。ここに書いた〈常識〉は今でも通用しているのでしょうか?それとも「なんて時代遅れなことを」とあきれられるのでしょうか?

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