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番外編「離任式のあいさつ」(1)

日本中の学校はもう卒業式や修了式を終えたはず。
センセイたちの卒業式=離退任式が行われた学校もあるでしょう。
ボクの勤務校のセンセイたちの離退任のあいさつです

そんな顔を見たこともない人の話を読んでも仕方がない…
いやいや,そう言わずに読んでみてください

皆さん,短い中に,専門を活かしたメッセージを語られて,
「こんなステキな話を聞ける子どもたちは幸せだなぁ」と感じました。

2回にわたって紹介するので,よかったらお付き合いください。
トップはMさん(世界史。別の私立高校に転勤)

「生きるためには希望が必要」

(以下,抄録)
大好きな本を紹介します。ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』。

ナチス・ドイツによって強制収容所に入れられたユダヤの人びとの話です。つらい日々を過ごす人々の間にある話が広がります。
「クリスマスになったらここから解放される」。何の根拠もない話。
でも,人びとはその希望にすがり生きていく。
しかし,クリスマスが来ても希望は実現しなかった・・・。
その日を境に次々と多くの人の命が絶えていく。

「いい話」ではありません。
でも,この話から学んだことがあります。

人間,毎日食べて飲んで眠っていけば生命を維持することはできる。
でも,「生きる」ためには「希望」が必要だということです。

私はこの学校で生徒の皆さんにいつも希望を感じながら生きてきた
つい昨日も朝の9時から19時まで,食事もとらずに保護者面接をしていました。そんなことができたのは,クラスのみなさんと話しながら希望を感じることが出来たから。

進路に悩む人,学校生活に困っている人・・・,
それでも一人ひとりから未来へ向かう希望を感じることが出来た。

「苦しむことは,ただそれだけで何かを成し遂げることだ」
--ヴィクトール・E・フランクルの言葉です。
私も迷いながら次の進路に進むことを決めました。
皆さんが今感じている苦しみにも,希望があると私は信じます。


二人目はKさん(英語。退職して語学留学へ)

「現状維持は衰退である」

私は「先生」といいながら,皆さんから学んでばかりでした。
自分が「先生」と呼ばれていいのかと,思い悩みながら過ごしてきた。
一番好きな言葉を贈ります。「現状維持は衰退である」

現状維持は現状維持じゃないか,なんで衰退なのかと思う人もいるでしょう。でも,そうなんです。
自分の新しい道を切り開く,成し遂げたいことに一歩でも近づく,
そのために,皆さんはいつも現状維持ではなく,一歩前に踏み出し続けてほしい。勉強でも部活でも,高みを目指してほしい。
それができるのが高校生活だと思います。

自分は一度教員をやめます。英語の勉強をもっとし直して,
「もっといい先生」になるために挑戦していきます。
―― 以上です。
次回は別の2人のセンセイのメッセージを紹介します。
こういうお話を学級通信にまとめて,子どもたちにプレゼントする。
たとえ,クラスの子どもが知らない人でも,いい話はきっと心に届く。
そう思っています。

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