【機上の空論】空飛ぶクルマは家庭に入るか?
空飛ぶクルマの適正サイズ
先月は空飛ぶクルマの適正価格に関して論じましたが、今月は適正サイズです。
最終的にはマイカーを持つように個人所有のエアモビリティが実現するとして、そのサイズはガレージに入るか?富裕層の邸宅なら庭に置けるか?といった可能性を考えてみたいと思います。
以下の動画はHAAMの公式サイトにもアップしているスロバキアに本拠を置くクレインビジョン(Klein Vision)社の試作機「Aircar」で、既に200回以上のテストを重ねているリアルプロジェクト。
現在、世界と日本における「空飛ぶクルマ」の基本定義は、1)電動 2)無人 3)垂直離発着の3要素なので、ガソリンエンジンを搭載し、一般車両同様のドライバー、滑走路で加速して離陸するこのタイプは主流ではないのかもしれません。
でも、空に憧れる子供たちはもちろん、スーパーカーのオーナーたちに空飛ぶクルマの未来像に関する投票アンケートをとればクレインビジョン社の人気は高いものとなるはずです。
そもそも『ハリポッター』に登場する「空飛ぶフォード・アングリア」も、『バックバック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンも、外見は自動車でサイズはコンパクト。
いつか家庭に置かれる個人所有の機体が誕生するとすれば、いかにコンパクト化するかは業界の課題になるはずですが、そこで気になるのが以下の2ニュース。
Skyfly Technologiesの2人乗りAxe eVTOL、軽スポーツ機として認定へ
「LSA(Light Sports Aircraft)」という軽量スポーツ航空機の仲間となるSkyfly Technologiesの「Axe eVTOL」。
外見は飛行機ですがスポーツパイロット(自家用操縦士)証明書を使用して操縦できるとのことなにでカジュアルなeVTOLとして注目です。
CycloTech、初のサイクロローターを搭載した空飛ぶクルマを発表
最後に、最新の機体開発情報をお届けします。
オーストリアのCycloTech社が発表した「CruiseUp」は現在の自動車の1.5倍ほどのサイズ。
サイクロローターと呼ばれる360°推力制御推進システムが実装されたコンパクト機体は、より自動車に近いデザインに見えます。
この記事によるとCycloTech社は持続可能な電気飛行の第2波が10年後に出現すると予想しており、個人所有のeVTOL車両が顧客の最終的な期待になるとして年間数百万台の市場に対応していくそうです。
空飛ぶクルマは公共財となるか私財となるかはマーケティング的に大きな岐路だと思いますが、世界各地でベンチャー企業が登場する機材開発の動向はしっかり追っていきます。
空飛ぶ倶楽部
HAAMでローンチさせたZ世代向けのコミュニティ「空飛ぶ倶楽部」では次代を担う若者層と空飛ぶクルマ産業のミリを模索する事業を進めています。
noteに加えて、X(旧Twitter)の公式アカウントも開設しましたので是非フォローしてください!
>>HAAM公式「X」
/HYOGO空飛ぶクルマ研究室 CHIEF 江藤 誠晃
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