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田中 悠聖 選手へのインタビュー ブレイバーズ通信 2023年1月号


新年のご挨拶


皆さま、新年あけましておめでとうございます。昨年も温かいご声援を送ってくださり、改めて感謝申し上げます。とくに西脇市・神戸市・三田市では、多くの方々が、試合観戦に訪れてくださりました。今季も引き続き応援よろしくお願いします。
 
「兵庫ブレイバーズって何?」という方も、たくさんおられると思います。この広報誌やTwitter、Instagramなどで情報発信を行っておりますので、気が向いた時にご一読ください!そして、試合観戦に足を運んでくださると嬉しいです(笑)。本拠地はアメニスキッピースタジアム(三田市の城山公園)です。


昨季は最下位に終わりました。この悔しさをバネにして、来季こそは、関西独立リーグ優勝を目指します。退団した選手もいますが、新たに入団した選手も多くいます。新たに指揮をとることとなった山川和大監督の下で、「新生」ブレイバーズが始動します。

明るい話題も多くあります。球団経営の安定度を高めることに取り組んできました。クラウドファンディングでは、当初の目標を上回る112万円を集めました。使わなくなった野球道具は、オークションで売却します。また三田市・神戸市を中心に、地域貢献活動へも積極的に取り組むことができた昨季でした。


こうした活動を今季も継続、発展させていきます。ブレイバーズが5年後、10年後になっても、この地で羽ばたくことができるために。そして夢を追う若者たちへ、挑戦する機会を与え続けるために。



田中悠聖選手へのインタビュー


練習終わりの田中悠聖


自分を変えたいからキャプテンになった


――キャプテンに就任した経緯は?
 
山川監督に推薦してもらったので引き受けました。自ら志願したわけではありません。キャプテン向きの人間ではないと思っていましたので。高校や大学時代の友人からも驚かれました。
 

――なぜキャプテンを引き受けたのか?
 
今のままではダメだと思っていたからです。今季は何も考えずに野球をしていました。チャンスでは打てず、不慣れなサードでもミスを繰り返す。最後はイライラして、ベンチの雰囲気をも暗くしてしまう悪循環が続きました。当時、選手だった山川監督は「周りを見ろ」とよく注意してくれました。
 
キャプテンはチーム全体を考えなければならない立場だと思っています。誰よりも大きな声を出し、イライラはしない。話し方や立ち居振る舞いを改善する必要もありました。就任してから、こうしたことは強く意識しています。


「山川さんの下で良いチームを作りたい」


田中悠聖(左)と山川監督(右)、関係性の良さが伝わる一枚


――田中キャプテンから見て山川監督はどんな人ですか?

常にポジティブな人です。野球を全力で楽しんでいます。チーム全体に、すごく大きな影響を与えることができる監督だと思います。
僕も昨年から仲良くしてもらっていたので、山川さんの下でいいチームを作りたいという思いは強いです。


――今季の課題は?

打撃が一番の課題です。今季の打率(2割2分1厘)じゃいけません。何よりも長打が少なかった(二塁打3本のみ)。今は飛距離を伸ばすことを意識しながら練習しています。体も強くしないといけないので、ランニングは欠かせません。

山川監督は基礎練習も重視しているので、厳しいメニューが多くなりました。しんどい時もありますが、ためになっていると思います。




――来季からは捕手挑戦、その理由は?

選択肢を増やしたかったからです。一塁と三塁しか守れないようじゃ、将来的に厳しいのではないかという問題意識がありました。

捕手というポジションはとても難しいと日々感じています。守備でも大きく貢献できるよう、練習していきます。


――来季の目標は?

打撃タイトルを1つはとりたいです。狙っているのは首位打者です。捕手として活躍するためにも、バッティングにはこだわらないといけません。


「環境のせいにはしたくない」



――ブレイバーズの野球環境は恵まれているか?

キッピースタジアムはめちゃくちゃ気に入っています(笑)。こんな綺麗な球場で野球ができるというのはとても幸せです。
球場が練習に使えない日には、バッティングの状態が上がらないこともあります。でも環境のせいにしていては、伸びないと思っています。僕は絶対に言い訳はしたくないです。


監督から田中選手へ

山川監督「今のところは非常によくやってくれている。選手たちの輪の中心には、彼がいるシーンが多い」
「課題はこれから。シーズンが始まり、たとえ結果が残せないとしてもチームを引っ張れるかどうか。ここが(良いキャプテンかどうかの)別れ目だと思う」

田中悠聖#5

大阪府大阪市淀川区出身。2002年4月1日生まれ。172センチ、85キロ。右投左打の内野手。2022年から「兵庫ブレイバーズ」に入団。1年目の今季は、打率.221と苦しんだ。新キャプテンに就任した来季は捕手にも挑戦する。尊敬する山川監督を胴上げするために、チームを引っ張っていく。


これが「山川流」練習法だ!


ランニング前の説明


今季から監督に就任した山川和大。読売ジャイアンツに所属していた時期もある。NPBで培った厳しさと、若い監督だからこその柔軟性。この二つが混ざりあい、ブレイバーズにどのような化学反応をもたらすかが楽しみだ。


11月24日の全体練習ではサッカー対決をメニューに。選手の遊び心も利用して、やる気を引き出す狙いがある。「練習でも勝ち負けを競い合わせる。勝ったら練習を減らす。負けたら逆に増やす」(山川監督)。


残念ながら、この日は選手たちの負け。罰ゲームは球場外のグラウンドをランニングすることだ。「全員が時間内にゴールできれば量を減らしていく」、ここにもやる気を引き出すしかけがあった。発波をかけられた選手たちは、全員が時間内にゴール。


足を痛めている選手には別メニューを用意し、倒れた選手には「絶対に無理はするな」と声をかけるなど、ただ厳しいだけではないのも特徴だ。

練習終了後、疲れ切って倒れてしまう選手も


感謝を形で示す!ブレイバーズの球場整備




当球団は毎月、アメニスキッピースタジアムと駒ヶ谷運動公園にて、整備作業を行っている。ゴミ拾いや落ち葉掃除などを行い、球場の美化清掃にも取り組む。日頃から使用している両球場への恩返しが目的だ。野球に打ち込める環境は当たり前のものではない。だからこそ、感謝を形で示す必要がある。


この日は、グラウンド整備に使う土の入れ替え作業を、アメニスキッピースタジアムで行った。20名をこえる選手たちが、大きなシャベルを動かしては土を運ぶ。山川監督の的確な指示もあり、わずか20分で作業を終えた。


整備作業を見守っていた職員の方に話を聞くと、「職員だけなら1時間半はかかる作業を、ブレイバーズの選手は積極的に進めてくれる。山川監督のやらせ方もうまい」とのこと。ここでも指揮官の采配が光った。

 
当球団による球場整備は、2022年度に入ってから本格化した取り組みだ。職員の方も、2021年度までは、当球団への印象は特になかったという。「お手伝いに加えて、花火ナイターや(球場周辺の)のぼりなどで、ブレイバーズとの距離が近くなった」と話してくれた。


球場外ののぼり旗。写真はKATO選手。


(敬称略、この号の取材は2022年11月24日に行われました)

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