仕事でも使えるかもしれない?実況・解説論

最近ゲーム実況や解説に関ることが増えてきたため、
自分の思考の整理のためにも記事に落とします。


実況、解説って何する人なんだっけ?

野球やサッカーといったスポーツを始め、
様々なジャンルで実況・解説が行われています。

そもそもこの実況・解説とは何を目的として配置され、
何を行う人達なのでしょうか?
端的に言うと
実況は事実を伝える人
解説は仮定を紐解く人
なのですが、これを見ていきましょう。


実況とは「感情200%増し」の報連相

誤解を恐れず一言で表現するなら、
実況とは「感情200%増し」の報連相です。

実況の役割は大別して以下の2つです。

  • 今何が起こっているかを正確に伝える

  • 感動を視聴者に伝播させ盛り上げる


今何が起こっているかを正確に伝える

実況の役割の一つは、今何が起こったのかを正確に伝えることです。
社会人で言えば報告がそれにあたります。

実際に起こった事実のみを過不足なく正確に伝えること。
ここに推定は必要ありません。(実況のスタイルにも寄りますが)
文字にすると簡単そうですが、社会人でも出来ていない人は多いのではないでしょうか。

サッカーで例えてみましょう。

右サイドバックがライン際へ駆け上がり、
中に走り込んできたフォワードにセンタリングを上げたが
フォワードの位置とずれてしまった。(事実)
スペースが空いた位置に蹴り入れていたので、
きっとここでフリーで撃って欲しかったんだろう。(推測)

ここで実況が伝えるべきことは
右サイドバックがライン際へ駆け上がり、
中に走り込んできたフォワードにセンタリングを上げたが
フォワードの位置とずれてしまった。

という事実までです。
それ以降は個人の所見や推測が混じっているため、
複数の可能性が考えられます。
受け手は推定がバイアスとなってしまいますし、
それが事実か判断した上で、他の可能性を考える手間が発生します。

推定は基本的には解説が話すべきことです。
どうしても自分の所見を出したい場合、
解説に振る際に選択肢の一つとして挙げながら相談し
判断は解説者に委ねてしまいましょう。
(例えば自分は〇〇と考えたのですがどうなんでしょうか?等)

二者間の相談の場合は極力相手に自分の思考を伝えることで
誠意やコミュニケーションのし易くなりますが
実況解説では実況と解説という二者の他に、視聴者という第三者がいるため
解説者に自分の思考を伝える工程を省いても良いです。


感動を視聴者に伝播させ盛り上げる

意外と軽視されがちですが、こちらも非常に重要です。

配信するコンテンツに関して興味がある人が視聴するので、
ある程度の知識があることを期待して良いのですが
大きなコンテンツになればなるほど、
あまり詳しくない視聴者層(ライト層)の割合が増えます。

どんなコンテンツも拡大には
このライト層をリピーターにすることが重要になってきます。
コンテンツ提供者は一般人との比較基準を用意して
いかに凄いかを伝えるなどの工夫することも出来ますが、
実況にできるライト層に訴求する効果的手法が
「感情を爆発させて盛り上げること」です。

ライト層は細かい技術や、玄人好みの心理的駆け引きが
すぐには分かりません。
ですが実況の声色、声量、口調などによって
「何か凄いことが起こったんだ!」ということは伝えることが出来ます。
これは時に「状況を伝えること」以上に重要な役割にもなります。
(スポーツキャスターや海外実況者はこの辺りが非常に上手いです)

例えばこちらの動画のこのシーン。
このゲームを知らない人でも終盤の緊張感や、
なんか凄いことしてる!って伝わってきませんか?


こちらの感情を相手にも伝播させるには、
二者間であれば120%
三者間であれば200%以上の熱量を持って
やっと相手に伝わるぐらいと意識して下さい。


解説とは思考開示によるプレゼンテーション

実況者が報連相であれば、
解説者はプレゼンテーターです。

発生した事象から自分なりの解釈を行い、噛み砕き
端的に視聴者に伝えることこそ
解説者が行うべきことなのです。
ここで気をつけるのは自分の解釈の結果が事実かどうかは
そこまで重要ではないということです。
(プレイヤーの意図と違っても、その場ではそこまで問題にならない)

解説を行う上で注意すべきことは、以下の2点です。

  • 言い切ることが重要

  • マイナス表現は極力抑える


解説は言い切ることが重要

解説は自分の思った仮定が正解であろうとなかろうと、
ベストであろうとなかろうとプレゼンテーションする必要があります。
もし自信がなかったとしても、視聴者に納得してもらうため
極力言い切るような表現に寄せていきましょう。

例えば、自信がないことがあったとしても
〇〇じゃないでしょうか?
よりも
〇〇ですね。(及第点として〇〇だと思います)
の方がより説得力が増します。
自分の考えが正解かどうかよりも、
まずは選択肢の一つを提示することを心がけていきましょう。


マイナス表現は極力抑える

解説に限った話ではないですが、
解説の方がより言い易いためにこちらに記載しました。

マイナス表現を使用してしまった場合、
プレイヤーに対してこき下ろすような悪印象を
さらに視聴者にとっても不快感を与える可能性があります。
(転じて自分自信に対しての不快感も募ります)

見ているプレイヤーのミスなどで
口からマイナス表現が出そうになってしまった際にも、
相手プレイヤーを褒めるなど、極力プラスの言葉を使用しましょう。

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