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初めて車を運転した日、私は泣いた

ここ数日、わたしは足繁く自動車教習所に通っている。もう、わんぱく小僧のラジオ体操並みの皆勤率。

そして数日前、初めて車を運転した。
いや、正しくは小5の時に鈴鹿サーキットのゴーカートを運転したことがあるから2回目である。その時は壁に激突して、スタッフさんがすっ飛んできた。それから、わたしは運転にニガテ意識を少なからず持っている。

小5以来の運転。
アクセルを踏み込むと鉄の塊がスーッと動く。
壁に追突するクラッシュはしなかったものの、車体は不安定だったり、カーブをうまく曲がれなかったり。

車から降りたときは体がふわふわ、頭がクラクラした。
車を運転するのってこんなにも疲れるのかと思うと同時に、車を運転する全人類に拍手を送りたくなった。

そして脳裏に浮かぶのは母だった。

塾の日。

高校3年間、わたしはずっと塾に通わせてもらった。帰りが遅くて心配だからと母は塾の日はいつも送り迎えしてくれた。週3回、3年間。

雨の日。

朝から雨が降っている日、母は家から駅までの道を送ってくれる。
どれだけ朝早くても、どれだけ豪雨でも送ってくれる。
晴れの日は自転車で駅まで行くのだけど、帰りに雨が降りそうなときは車で迎えにきてくれる。
「今日は先にお酒飲んでおいてくれて大丈夫だからね!」とLINEを送っておいても、雨が降りそうな日は、母はシラフである。

母の稽古の日。

免許を取ったら、わたしが送り迎えしたい。
でもきっと母は
「あなたが家まで無事に帰れるか心配せなあかんから」
そう言ってニコッと笑うのだろう。


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