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★ショートショート王様③(毎週ショートショートnote、410字)

昔は島流し。今の刑務所は月にある。

ひとりの模範囚、青山が刑期を終え地球に送り返されるところだった。
「ここにずっと置いてくれませんか?なんか地球に帰るの嫌な予感がするんで」
「お前みたいな真面目な人間がいるところじゃない。そもそもお前が犯罪を犯したなんて信じられない」

その後、地球の犯罪者集団の中で騒ぎがあった。
「行方不明だったショートショート王様が帰ってきた」

その男は闇の世界で有名だった。月の出る夜にふらりとやってきては短刀二刀流で依頼の殺人をこなす。無敵だったことからショートショート王様と呼ばれていた。

その頃、月から帰ってきた青山は、妹の家に身を寄せていた。
「今でも、お兄ちゃんが悪いことしたなんて思えない。冤罪なんでしょ」
「俺もそんな悪いことした記憶がないからわからないんだ」

看護師の妹は夜勤に出ていた。その夜、青山は、ショートショート王様になり、闇の組織に身を投じていた。

青山は月を見ると人格が一変するのだった。

『本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です』

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