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コロコロ変わる名探偵(410文字)ショートショートnote杯

確かに私は名探偵だが、何の相談も受けてないこの状況をどうすれば良いのだ。

友人Aの推理小説家としての門出を祝うパーティー会場。目の前には、Aの死体。背中に包丁が刺さり血を流している。

奥さんがパニクっていて、叫び散らしている。友人が通報しようとしている。

「そこの君、通報するのは、やめてくれ。名探偵の僕がいる」
「じゃあ、こいつ、誰に殺されたんだよ。まず、警察だろ」

「犯人はAだ」
「自殺なのか?」
「自殺じゃない」
「事故か?」
「事故じゃない」
「コロコロ意見を変えんなよ」
「変えてない」
「嘘つけ!このコロコロ野郎」

「誰よ!うちの旦那殺したの?人生、これからだったんだよ!探偵さん、誰なのさ!犯人は!ただじゃ済まさないわよ!」

奥さんがテーブルの上に立ち、ステーキ用のナイフを振り回している。

さっきからピクピク動くAの身体の下のものがチラチラ私には見えている。

それは、今、出さない方がいい。
その、「ドッキリ」と書いてあるプラカードは。

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