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毒舌神様(406文字)ショートショートnote杯

彼氏いない歴28年で28歳。今日は、縁結びの神様に良縁を願うためにやってきた。

ご縁がありますようにという願掛け語呂合わせで、財布からピカピカの5円玉を一枚取り出して賽銭箱へ投げ入れる。

目を閉じて、お願いし、ゆっくり目を開けると目の前に中年男性が立っている。

「近い! 近過ぎ!」
そう言って三歩下がる。

「近いって、そりゃないやろ。お前がオレに会いにきたんやろ」

「えっ、ということは、神様があなたとのご縁を……いや、ない! 必要ないです。あなたとのご縁は」

「お前、オレ以上に毒舌やな。それより、たった5円で願いを叶えようって虫がよすぎないか? 今どき、5円なんて子供の小遣いにもならんわ。
諭吉さんだよ。諭吉さん。束でカモン!」
「そ、そんな、そんなお金ありません」
「じゃあ、オレが彼氏になってやろうか?」
「結構です」
「そうゆうとこやぞ。神のオレからのお告げだ。謙虚であれ!お願いだから、もうちょい理想を落として、お願い」

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