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時代活劇ゲー TREK to YOMI

発売を待ってゲットしました黄泉への旅路。

トレーラー見た時から買うやろこんなんと思っていました。しかもお手頃価格。ちょっと殺陣がカクカクしてる風ではあるものの、色々と私が好きな往年の時代劇をくっそ研究している感があり、こんなん買うやろ。

TREK to YOMIはこんなゲーム

主人公、大輝少年が剣術の師範である三十郎に教えを受ける道場から物語が始まります。物陰からその様子を見守るのは、師範の一人娘である愛子。今日はここまで、と区切りをつけた途端、助けを求める村人が道場に駆け込んできました。ここにいよ、と大輝に申し付けて道場を飛び出す師範。残された大輝と愛子は思案の末、助太刀をしようと師範の後を追います。
盛り場を抜けると、そこには山賊に襲撃を受ける村の姿がありました。村の人を助けてから父を追うと主張する愛子と別れ、襲い来る賊を切り捨てて師範に追いつくと、影炎という名の盗賊の首領が目の前に立ちはだかります。苦戦の末、大輝は敵の鼻をそぎ落としますが、逆上した影炎に突き飛ばされ、刀を取り落として尻餅をついてしまいます。絶体絶命―その時、師範が彼の前に立ち、愛用の槍を大輝の刀に持ち替えて影炎と相対します。勝負は一瞬でした。影炎がどう、と地面に倒れたのを確認すると、師範もまた空を仰いで倒れ込みました―相討ちだったのです。そして大輝は敬愛する先生の最期の願いを聞き入れ、民を、そして愛子を守る誓いを立てたのでした。たとえこの命尽きようとも―
時は流れ、大輝と愛子は夫婦となって、あの日の誓いを守りながら日々を過ごしていました。そんなある日、近隣の村が山賊に襲われたとの一報を受け、大輝は急ぎ現地に向かうのですが……

みたいな感じです。出たばっかなのでプロローグだけにしときます。三十郎先生の名前は明らかにあの映画から取っているに違いありませんが、先生は別に三船顔ではありません。誰かに似ている気はする。

外伝として先生が主人公のやつをぜひ

戦闘は横スクロールコマンドアクション、移動は多少前後上下も加わります。若干のわかりにくさはあるものの、そこに絡めてフレーバーテキスト付きコレクションアイテムがあるので、狙い通りな感じなのではないか。
武器は刀と棒手裏剣、弓、大筒、3種類の飛び道具。戦闘自体は結構気持ちよくズバッと斬撃系で、そういう意味では爽快感がある。あるけど、フィニッシュムーブなんかでもうちょっと寄りがあると、さらに剣戟爽快アクションみが増したのではないかなーって思いました。追加機能で来るといいな。
パラメーターは気力と体力のみ。気力がゼロになるとぐったりして防御も攻撃もできなくなります。装備品で防御力アップなどはできません。ぺなぺなの羽織袴じゃなくて鎧を着たい。道中に落ちている気力or体力増強剤を拾うことでレベルアップ。指南書を拾ったりすると、コマンド入力のコンボ技が増えます。
セーブポイントはわりとそこら中にある小さな祠。だいたい戦闘1~2シーン終わると設置してあって、調べるとセーブ&全回復ですが、回復のための再利用はできません。
途中自分のスタンスを決める選択がいくつかあるものの、一本道です。

黄泉の国によくある石碑。脳内を駆けめぐるあいと!ゆう!ぞう!

TREK to YOMI、ここがいい

・風俗考証(全部ではない)
一番最初におおお?と思ったのがヒロイン愛子殿の髪型。冒頭ではまだお嬢ちゃんですので桃割れに結ってあります。桃割れ!!日本人でも興味なかったら知らんとこやぞ!そして第二章に入って成長後の姿になると、ちゃんと高島田(多分)に結われているではありませんか!!!すごない!?!!?
着物は特に大輝くんの小袖が長襦袢みたいでちょっとんん?ってならんでもないけど、まあ気にしない。私が知らんだけでそういう時代があったのかもしれませんからな。
たまに感じる建物のどこやねん感はご愛嬌。
・書体
メニュー画面辺りの毛筆が衛山毛筆フォント。何その情報収集能力。ありがとう武蔵システムさん商用利用OKフリーでこんないい毛筆書体出してくれてて。おかげさまでこんないいゲームが世に出たですよ。

結構クセがあるこの書体がマキシマム生きる使い方

明朝体はアプリ明朝かな?これもスッキリ読みやすく、雰囲気も合っててありがたいセレクト。ゲーム内の表示はもう少し気持ち大きくしてもらえると老眼が喜びます。
ほんでロード画面に出てくる武士の心得系お習字は、作家さんに書いてもらったのかな?って感じで本当によくぞここまで研究してくださってありがとうの気持ち。
・日本語
ふつーーーーに時代劇見てる感じ。めっちゃ難易度高いのによくこれだけ落とし込みましたねすごいや!って思いました。個人的に一番びっくりしたのが「金堀の間歩」でした。きんぼりの!まぶ!これ見るまで間歩って単語忘れてたわ。語彙力すげー!!!吹替も大変豪華でして、久々にどっちも日本語でやりました。(存ずは謙譲語、申すは謙譲語>丁寧語なのになってちょいちょい引っかかったとこだけが残念だけど、逆に言えばそのぐらい)
字幕に句読点ついてないのは何か狙いがあるのでしょうかね。最初に句読点ないねんなって思った以外は特に気になりませんでした。
あっ、それとね、難易度選択が
歌舞伎(低)
武士道(中)
浪人(高)
剣聖(ボス級以外は相互に一撃死・初回選択不可)
ってなってるのもイケてる!!と思いました。歌舞伎でも普通に死ぬけど。
・カメラワーク
アップはほとんどなくて、だいたいが引きの画面です。戦闘時は主に真横からの視点で、逆光や障子越しのシルエットが大変ドラマチック。

戦闘中にSS撮ると死んじゃうので、戦闘中のよさみはぜひご購入の上ご確認を

移動時、特に見せ場になるような場面では、あっこれ黒澤映画で見たやつ!に加えて、ちょっとジョン・ウーが入ったりして痺れます。映画詳しい方ならもっと色々見つけられるのではないかしら。

ぼくこれ用心棒で見た!気がする!左の建物、東野英治郎の飯屋なんでしょ!

・日本神話ガチ勢疑惑
イザナギイザナミ黄泉戸喫まではね、まあタイトルに黄泉って使うぐらいやもんなって思ってましたけど、カグツチや保食神まで出て来て「ええええええwww」ってなりました。リアル古事記(日本書紀)にも書いてある案件でびっくりですわよ奥様。フレーバーテキストもどこまで物知りさん?みたいなの山積みで、教養に圧倒される。

惚れた女を口説いた話にも出てくるこの応用のききっぷりよ

ねえねえ、DEVの誰かが日本人か日系人か日本育ちの人なんでしょう?ここまで掘り下げてるのほぼ見たことないのよ?ところどころ違和感はあるにせよ、PC版全裸待機中ツシマの正確さとは別のベクトルで、日本文化の造詣深すぎなんよ。どんな人が作ったのか本当に知りたいので、各ゲームメディアさんははようインタビューしてください。

TREK to YOMI、ここが残念

・安らぎがない
始まってからずっと大変だー!が続くもんで、ちょっと気が休まらない。ラストまで一本道ジェットコースター感が強かったけど、これはこれでアリ。
・若干鬱気味
でも後味は悪くないです。道中の懊悩感だったり無力感だったりが武士らしく、それだけにちょっと重いかな。音楽も純日本的お三味線や雅楽がメインで、神楽やお囃子方面の楽しい系じゃないから、全体的にハッピーなのが好きな人にはしんどいかも。私自身は全然大丈夫。
・コンボが苦手
これは格ゲーウルトラ苦手マン的にちょっとしんどいとこです。とはいえ低難易度なら特に問題にはならないと思う。
・戦闘画面引きすぎてちょっと見づらい
ELDEN RINGみたいにくっそ狭いとこでくっそでかいのとやるよりはずっと楽なんですが、自分今どっち向いてたっけ?ってなるぐらい遠い時があるのはちょっとしんどかったです。比較的単調になりがちな戦闘なので、最初の方に書いたように、やっぱりフィニッシュムーブがあるともっといいのにな。
・(Steam版)トレカでネタバレするのやめろぉ!
あっこの後出てくるのんね?ってわかってしまってつらかったウッウッ

まとめ

・勘違いJAPANがほぼ皆無ですごい
・ローカライズの全力感がすごい
・1周は短いが、アイテム集めと分岐確認に周回が苦にならない感じ
・お手頃価格
・フロム辺りと組んでフルプライス続編を作ってほしい

いや、なんかほんとにこんなに我々の文化の下敷きになってることを理解してくれて、ゲームにしてくれてありがとうの気持ち。神様が複数いるとか信じられなーい!みたいなことを言われ慣れているのでその辺理解してもらえるだけでも本当にうれしい。
日本で売れると多分こんだけ関心持って作ってくれた作者さんも喜ぶので、日本でバカ売れすべき。ありがとうLeonard MenchiariさんとFlying Wild Hogの皆さんとDEVOLVER DIGITALの皆さん。

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