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守護天使をほっとけない! 第2話「さくちゃーん!の巻」

いやぁ…天使ってほんとにいるんだな。

さっきの出来事が未だに夢みたいに感じる。

実際夢なんじゃ?

今もチンピラのお兄さんに殴られてアスファルトに伸びているんじゃ?

試しにほっぺをつねってみる。

◯◯:いてて…

さくら:大丈夫ですか?

◯◯:うん、なんでもないよ

さくら:良かったです

優しげな笑みを浮かべるさくら。

夢じゃない。

改めてホバリングしているさくらを見る。

◯◯:そういえば…

俺は辺りをキョロキョロ見回し、

◯◯:さくらちゃんの姿は周りにどう見えてんの?

夜道とは言え少なからず人通りはある。

さくら:安心して下さい

さくらはえっへんした。

さくら:◯◯さん以外の人には普通に歩いているように見えてるんです

◯◯:なるほどー

さくら:足の怪我も一晩寝れば治ります

◯◯:天使すげー

そんなこんなでマンションに着く。

◯◯:妹と一緒に住んでるんだ

さくら:存じてます

◯◯:さすがだね

さくら:人間界のことは天界には全て筒抜け丸見えです

◯◯:神聖な覗きってわけか

さくら:言い方悪いですぅ

◯◯:怒った顔もかわいいね

さくら:ごまかさないで下さい

鍵を開ける。

◯◯:ただいまー

美緒:お兄ちゃんおかえりー

妹の美緒が駆け寄って来た。

◯◯:さくらちゃん、紹介する。妹の美緒

さくら:おじゃまします。はじめまして

美緒:はじめまして。妹の美緒です…ってぎゃーーー!!!

美緒が急に取り乱した。

美緒:ちょちょちょお兄ちゃんこのこのこのかかかかわいい娘だれーーー!!!???

◯◯:落ち着けよまず

そうだ。

なんと説明すれば…?

さくら:正直がいちばんです

俺の心を読んだようにさくらが言った。

◯◯:だよな。この娘は遠藤さくらちゃん

美緒:さくらって言うのねー!さくちゃんって呼んでいいー?

さくら:いいよ!あたしも美緒ちゃんって呼んでいい?

美緒:いいよーグフフ

◯◯:笑い方キモいぞ

美緒:だってかわいいんだもーん!

◯◯:それでな、この娘天使なんだ

美緒:ほんと天使みたいにかわいーっ

◯◯:みたい、じゃなくてマジの天使

さくら:そうなんです

美緒:…は?え?…は?

そりゃそうなるわな。

美緒:お兄ちゃんったら何言ってんのよあーたちょっとぉ!からかわないでよねー。天使なんているわけないじゃーん

美緒がばしばし俺を叩く。

◯◯:痛い痛い。さくらちゃん、見して上げてくれる?

さくら:はい

さくらは天使の輪っかと翼を顕現させた。

さくら:これで信じてもらえるかな?

美緒:そんなことってあるーっ!?

美緒は目が落ちるんじゃないかってくらい見開いて驚いた。

◯◯:な、本物だろ?俺の守護天使してくれるんだって

美緒:天使みたいにかわいい天使ってマジ天使じゃんさくちゃーん!

◯◯:日本語変だぞ

美緒:語彙力無くなるくらいかわいーっ

さくら:エヘヘへ

天使を引かせる妹っていったい…

美緒:あたしの部屋で一緒に寝よーねーハァハァ

◯◯:鼻息荒いぞ。変なことすんなよ

美緒:そんなことするわけないじゃん!

さくら:美緒ちゃんと仲良くなりたいなぁ

美緒:やったー!ほんとかわいーっ

さくら:美緒ちゃんもかわいいよ

美緒:そんなこと言ってくれるなんてー!さくちゃんありがとー!

頬ずりしかねない勢いだ…ってもうしてる。

さくら:むぎゅぅ

美緒:一晩さくちゃんのかわいさについて語り明かそうねーハァハァ

さくら:アハハハ…

◯◯:だから鼻息荒いぞー

我が妹ながら、大丈夫だろうか。

 to be continued…

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