みーぱんねーちゃん
僕には変わり者の姉がいる。
美玲:とぉ!
コツン💫
◯◯:何すんだよみーぱんねーちゃん
美玲:家の中でも油断するでないぞ弟くん♪
ハンガーを構えにこにこ笑っているのが僕の姉、美玲だ。
みーぱんの由来は両親が幼い頃より呼んでいたから。
本人もお気に入りらしく、小さな頃からみーぱん呼びを強いられて来たため、みーぱんねーちゃんと呼ぶようになった。
ハンガー拳の使い手を自称する我が姉は、こうして僕にちょっかいを掛けるのが楽しいらしく日常の光景のひとつになっている。
ところが使い手を自称し始めたのはひと月前だから底が知れている。
急にハンガーを振り回し始めたのには正直驚き、そして呆れた。
僕とふたり暮らしだから良いものの両親が見たらさぞ嘆くことだろう。
ってかハンガー拳ってなんだよ?
武◯鉄矢じゃあるまいし…
小突かれた頭を撫でつつ、
◯◯:大学生にもなって何やってんだよ
呆れてみせると、
美玲:みーぱんがハンガー拳で◯◯のこと守ってあげるからね!
そのハンガー拳で僕を小突いているヤツの発言とは思えんな。
◯◯:はいはい。頼りにしてるよ
取り敢えず言っておく。
美玲:ねーねー◯◯!
◯◯:なに?
美玲:新技見て欲しいの!
◯◯:新技?
またかよ。
前みたいにならなきゃいいけど…
姉はハンガーを構えると、
美玲:はぁぁぁぁっ…
気迫を込めてハンガーをヌンチャクのように振り回し…
ゴチン💫
美玲:いたぁい
自分の側頭部にぶち当てた。
予想通りの展開である。
美玲:◯◯いたぁい
頭を抱えてうずくまり、涙目で僕を見上げて来た。
◯◯:しょーがねーなぁ
僕は姉の側に座り頭を撫で、
◯◯:よしよし…痛いの痛いの飛んでけー
美玲:治った!
いつものにこにこ笑顔に戻る。
美玲:ありがとね◯◯!
◯◯:わっ!抱きつくなよ!///
美玲:照れちゃって~。かわいいぞ弟くん♪
◯◯:離せよみーぱんねーちゃん///
美玲:やーだ
僕は抗うのやめてされるがままにすることにした。
というのも。
なんだかんだ、姉のことが大好きだから。
美玲:大好きな弟くん守るためにみーぱんもっとハンガー拳極めるからね!
◯◯:それはやめとこうか
fin
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