失敗しないと前へ進めない

多くの生徒さんは人前で演奏をしたがりません。理由は色々あると思うのですが、大きな理由は失敗したくないからだと思います。あと、面倒臭いのでしょう。リスクもあるしお金にもならない。徳にならないのであれば、やっても無駄ですからね。

けど、演奏しないと学べないことが沢山あります。まず演奏の練習は演奏をすることでしかできません。

そして舞台には立たないと得られない人生経験やスキルがあります。だから先生は生徒がプロにならないと知っていても演奏しろと背中を押します。

勿論、無理やり舞台に上げてトラウマを植え付けたり虐待的なことを奨励してるわけではありません。演奏したくない人は別にしなくてもいいんです。けど、舞台の上で得られる何かって凄く大きいので失敗してもいいのでチャレンジしてほしいと願います。

この世の中には完璧なんて存在していません。なのでそんなのを求めなくてもいいです。演奏の練習を舞台の上で続けていくとそんなこともわかるようになります。

そして自分自身の不完全さや失敗に対し耐性がついてくるようになります。度胸スキルもついてきてますから人生の重大な時でも大きく構えることができるし覚悟もブレることがないと思います。

なんでこんなことを書いたかというと、別に演奏じゃなくてたとえば社長業でも似たようなことが言えると思ったからです。

リーダーになるにはリーダースキルが必要です。誰も先天的にリーダーで生まれてくるわけがありません。人を従え、先導するのも練習が必要ですが、リーダーにならないとその練習はできません。リーダーになってやっとわかることも沢山あります。そしてリーダーだって沢山失敗するわけです。完璧なリーダーはいませんが、皆夢見てリスクを抱えて会社を起こすわけです。

この世の中は失敗を許す許容量があまりありません。人生も短いですから毎日成功してないと普通の生活すら無理になってしまう。こんな厳しいご時世ですのでみんな血眼になって毎日必死なんだと思います。そんな親御さんの元に生まれてきて育つ生徒さんに「失敗いっぱいしても特に問題ないよ」と言っても無理な話です。それどころか「成功だけさせろ」というリクエストばかりになります。

そりゃそうだろうなと思う反面、自分の人生は失敗の連続でしたがまだ生きてますし、しぶとく世界の果てでこっそりこんなことを書いています。

生徒さんにはプロアマ関係なく、一生懸命練習して、舞台の上にたって、演奏してお客さんとコミュニケーションしてほしいと願います。自分も歳をとって体が動かなくなるまで世界の果てでこっそりなんだかの形で誰かのために演奏するつもりです。



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