見出し画像

#307 「歴史の終わり幻想」という心理・・・将来は平穏に行くはず・・・

面白い心理学研究があったのでご紹介します。

「私たちは、現在を基準に評価する性質があって、
過去の大きな変化があったと振り返る一方で、
そのような大きな変化が将来に起きると考えないらしい」

人生はある程度完成してしまった。これ以降は平穏に行くだろう・・・
という何の根拠もなく思ってしまう傾向になるようです。

実際には、これまでと同じような波乱が起きるに決まっているのです。

年取ったからと、定年を迎えたからと、今度は平凡な生活が続く・・・わけはない。同じように大変化が待ってる。

卒業入学したから、転職・転勤したから、結婚や離婚したから、引っ越し移住したから、昔のような嫌な事は起きないはず・・・いうのは幻想なんです。嫌なことは起きるし、嫌な奴はどこにもいる

Quoidbach,J.,Gilbert, D.T.,& Wilson,T.D.(2013)"The end of history illusion," Science,339,96-98. 

ちなみに、このタイトルは、Francis Fukuyama をパロっている
「歴史の終わり(The end of history and the Last Man)」Free Press, 1992.

"The End of History?" The National Interest, no. 16 (Summer 1989).

 自由主義+民主主義があらゆるイデオロギー(共産・社会主義など)に勝利した、人類が行き着く最終であると考えているという主張でした。

旧ソ連の崩壊で、民主主義の勝利を宣言したわけだけど、

今となっては楽観視しすぎた。まさに幻想だった。

やっぱり平穏にはいかないもんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?