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その特徴は「生産と消費の同時性」でした。 (1)「規模の経済性」の追求 ① 事業所規模の経済性 たとえば、事業所の分散化よりも集約化へ。 ② 企業規模の経済性 多店舗(チェーン)展開がサービス業に有効。 ③ 範囲の経済性 集客力の向上等を通じた「範囲の経済」で享受しうることを意味する。 (2)時間の平準化 料金設定と調整: 平日や雨の日割引、ポイント還元率、時間限定クーポン ハッピーアワー 企画・広告: 2月枯れに“恵方巻き” 付加的サービスの
「無形性」「不均質性」「経験財」 「生産と消費の同時性」 多くはこの特徴を持ちます。在庫できないものが多いですね。 人口や経済活動の地理的な分布がサービス産業の生産性を規定します。そこから派生する着眼点を列挙してみましょう。 ①都市集積 都市型産業で人口集積の経済効果が大きい。コンパクトシティを指向することがある。都市は人的資本を高める ②需要平準化 IT活用、雇用の柔軟化 ③ガバナンス 企業格差大、国際競争が弱い、経営の質、リスクテイク ④新陳代謝
日本のサービスは評判いいと聞きます。 Q:日本のサービスの生産性はどうでしょうか? A:米国の約6割と低い。おもてなし過剰 “日本のサービス産業の生産性は米国の約6割” OECDによる購買力平価(PPP)で調整した労働生産性(2005)は、米国に比べて日本の生産性は、製造業約71% 非製造業約64%となっている。 日本のサービスは手厚いし、“おもてなし”を当然要求される 労働生産性を上昇させて実質付加価値を上昇させたのは、金融仲介業、通信業、不動産業の3つのみ
日本の生産性が低いことは、無形資産が小さいことも原因です。 モノづくり、製造業に偏重し、無形のものを軽視する傾向が続きました。 ソフトウェア、特許、知的財産、企業ブランド(広告・宣伝投資)などの無形資産の価値についても過小評価されがちです。 日本の無形資産投資は米国に比べて低い。製造業に比べてサービス産業で低い。 日米英の無形資産の構成比の比較すると、我が国は研究開発のシェアが高いが、人的資本、組織への投資シェアが低い。 バブル経済崩壊以降、ネット移行、人材育成等へ
Q:なぜ、TFPなのでしょうか? A:日本は労働・資本は減少するので生産性を上げるにはTFPしか残っていないからです。 TFPとは「全要素生産性」(Total Factor Productivity)実質GDPの成長率を資本投入・労働投入と、それでは説明できない残差を意味します。 資本や労働を除いた残りですから、誤差も含まれますが、仕事の効率性やイノベーションなどで向上した部分と言えます。 成長会計で要因分解すると、日本は30年間、労働資本もTFPもマイナス続きです。
Q:労働生産性が高い業種が優れているの? A:いいえ、資本投入が多い業種は高くなります 下のグラフを見てください。不動産業の労働生産性が一番、次が情報通信業が高い。 これで不動産業、情報通信業が優れているとい言えるでしょうか? 労働と資本は代替関係にあります。 たとえば省力化の機械を買えば、人を減らすことができます。 労働生産性=資本装備率×資本生産性 よって、右辺のどちらかが高ければ労働生産性は高くなります どちらが多ければ良いというものではありませ
Q:“生産性”の定義は? A:OUT/INです。インプットに対するアウトプットです。 労働生産性だけではありません。 労働生産性だけじゃない (1)労働生産性(LP) 生産量、付加価値/労働投入量(人または時間) (2)資本生産性(CP) 生産量、付加価値/資本投入量(台または稼働時間) (3)全要素生産性(TFP) 生産量、付加価値/資本・労働など生産要素の組み合わせ
日本の経済政策を考えるうえで中小企業の存在を忘れてはいけません。 数はどのくらい占めるのでしょう。 2021年中小企業白書によると、平成28(2016)年で、なんと99.7%が中小企業です。 従業者の割合は 68.8%の人が中小企業で働いています。大企業は大きいからね。 規模別の企業数でみると、4人以下がほとんど。 付加価値でみると、 52.9%に下がります。儲けていないな。 中小企業の売り上げの分布をみると、 売上高の中央値は1,500万円で、売上高1,0
人の性格は「デット型」と「エクイティ型」に分けられますね。 ローリスク・ローリターンの人。公務員とか ハイリスク・ハイリターンの人。ベンチャー起業家とか これはパーソナリティだけど、人材となればもう少し動的に考えたい。 竹林 一 氏(オムロン株式会社)さんは「起承転結」で分ける 起:0から1を仕掛ける、アイデアを妄想し、行動する人材 承:1をN倍化(10、100、∞)する事業の構造をデザインする人材 転:1をN倍化する過程で効率化、リスクを最小化する人材 結:仕組み
#177 は科学論文でした。科学技術はどうでしょう。 特許数で見てみましょう。 WIPO (世界知的所有権機関)「特許出願数(自国を含む世界で出願した特許の総件数)」 バブル期の1990年。「日本」の特許出願数は33万2956件で世界トップ。第2位は「米国」で9万910件と、圧倒的な差が開いていました。 それが2011年まで一度も世界1位の座を譲ることなく、日本は世界一の特許出願大国でした。 2011年。「日本」で47万5070件の一位の出願でした。2位「米国」で4
ノーベル賞を取るんだから、日本は科学論文は強いはず コンピュター科学はアメリカが断トツ? A:いいえ。中国にとっくに抜かれて追えません。 日本は2005年がピークでジリ貧です。 コンピューター科学は中国が世界一です。 中国はコンピュータの現実社会への実装も世界一です。 コンピュータ科学を学ぶなら中国へ留学することになりそうです。 日本の科学技術振興機構(JST)の分析によると、中国が発表する質の高い論文の数と研究領域が激増しています。 領域は、物理、化学、生命
日本の研究開発費は15兆円くらい。 あまり伸びていません。 中国は急伸しています。 ちょっと古いデータですが、アメリカに並んでいます。 アメリカ、中国、EUがダントツで、ちょっと差を付けられています。 国の大きさが違うので、対GDP費で見てみましょう。 日本はGDP比で少ないわけではありません。 まあ、国の経済規模が伸びていないのも原因です。 成長しないので、研究開発費が出せない。研究開発費が少ないので成長しない。 悪循環ですね。
スイスのビジネススクールIMDが公表した2021年の「世界デジタル競争力ランキング」で、日本の総合順位は64カ国・地域のうち28位でした。 9月29日の発表です。 17年に調査を始めてからの最低。 #125(9月15日) で世界競争力ランキング31位と書きました。このデジタル部門です。 「」内はIMDの高津尚志・北東アジア代表のコメントです。 「デジタル競争力とは行政の慣行やビジネスモデル、社会の変革につながる形として、どの程度デジタル技術の活用や展開ができているか
無形資産に対する投資は上昇しています。 米国の無形資産に対する投資は、2000 年以降有形資産に対する投資を上回っており、 2003 年では GDP の約 13%にまで増えています。 それに対して、日本は 5%まだ低い。 しかも、革新的資産投資(研究開発費)>情報化資産投資>経済的競争力投資(ブランド、ビジネスモデル)と偏っています。