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Play Station 5への移行は成功するだろう。

 コンソール機の代替わりは歴史的に見てもなかなか難しく、同メーカーの次世代機への移行がうまくいったのは、個人的にはファミコン→スーパーファミコン、PS1→PS2の2回だけだったと思っています。

 今回は久々の成功例になる可能性が高く、そしてコンソールの代替わりとして最後になる可能性が高いと思います。(次はクラウドへ。このあたりの話は、また今度アップします)

 現時点でわかることは、SIE、MSも相当数のユーザーベースを有しており、そのユーザーベースの維持・拡大が十分に可能であろうこと、またエコシステム内での収益力のアップが見込めそうなことです。PS4は全世界で1億1千万台以上売れており、プレイステーションネットワークのMAUは1億人を超えています。
https://www.jp.playstation.com/press-releases/2020/20200107/


 どちらの次世代機も下位互換性があり(例:PS5本体でPS4のソフトをプレーできる)、現世代機のコアユーザーが上位機の購入を躊躇するのは価格以外の理由はないでしょう。コアユーザーは次世代機を購入すれば、長いローディングスピードから解放され、さらに高画質なグラフィックや、3Dサラウンドを堪能できます。一方、現世代機で満足しているユーザーは、ごく一部の次世代機専用ソフトを除けば、当面はゲーミングライフをエンジョイできるだろうし、現在、世界的に流行しているバトルロワイヤル系は現世代機で十分楽しめます。(F2Pゲームを楽しむだけなら次世代機である必要性はあまりないです)

 そういった意味で、今回、両社ともにコンソールの劇的な世代交代というよりも、リニアにアップグレードさせる感じの戦略をとっており、これはプラットフォーマー、サードパーティー、ユーザーの誰にとっても望ましい移行といえると思います。
 一方、割を食うのはリテールでしょうか。前の記事で書きましたがPS5デジタルエディションが発売されます。これはSIEがソフトのデジタル販売をさらに推し進めていくという強い意思の表れでしょう。(MSは約1年前にXBOX One Sでデジタルエディションをすでに出しています)
 

 移行が成功するという定義は、次世代機が全世代機よりもたくさん売れるということではなく、ユーザーベースの拡大、顧客単価の上昇によりPS、XBOXエコシステム全体での収益力が上がることだと思います。当然、次世代機のハードの販売が好調であるほうがいいとは思いますが、さほど売れなかったとしても、強固なユーザーベース、リカーリングインカムがある限り収益力にはあまり影響を与えないと思います。ソフトのさらなるデジタル販売が進むことにより、小売りの利益がプラットフォーマーにシフトし、プラットフォーマーの収益力がさらに上がるでしょう。

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