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短編小説『エネルギヤ』

好きな男を小説の中で殺したことがある。

失恋の勢いで2万4千文字ひねり出した挙句フツーにゼミで提出してしまった。こえー。恋は人を狂わせる。
夜な夜なパソコンに向かい実際のLINEのやりとりを引用しては泣き、教授との面談でも泣き、酒を飲み、吐き、そんな感じで書き上げた小説は小説と呼ぶにはあまりに感情任せで拙く、自己陶酔甚だしくてイタい。展開もありえん急だし現実味も薄い、あと自分のこと美化しすぎ。でも、嘘と美化と願望の合間に散りばめられた実際にあった会話や実際に抱えていた感情を見る度に、ああ一生懸命好きだったよねえと変な笑顔になってしまう。気持ち悪さと愛しさの狭間で揺らぐ。

で、有難いことに上記のnoteのコメント欄やツイッターのDMで読みたいと連絡をくださった方が多かったので、思い切って全文公開することにしました。
私的な呪物すぎるので全世界に放流して誰でも読める状態にしておくのはちょっと……でも読みたいと思ってくださる方には読んで欲しい……という葛藤の末有料記事にさせて頂いています。小生意気ですいません。
みんなで一緒に変な笑顔になろうや…………。

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26,085字

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