見出し画像

インターネットを憎まないで

フロムワールドワイドウェブな人生を送ってきたので基本的にはインターネットがあって良かった🎶と思っているが、時々インターネットさえなければ………と血の涙を流す時もある。去年の春とか本当にひどくて、100人ちょいしかいなかったフォロワーが一晩で70倍まで増えてしまったことに伴い顔も知らん人から誹謗中傷が届くようになり、毎日しっかりゲボ吐いてた。「話題のnote作者四月さんの顔は?出身地は?本名は?調べてみた!」みたいなクソ記事もバンバンも書かれたし、最終的におれのツイートをもじった診断メーカーとかまで作られてて目眩した。そんなことある?おれただの一般成人女性だよ?なんだと思ってる?

身内に向けておもしろおかしく書いたnoteは最終的に18万いいねまでいって、日本のトレンド7位に食いこんだ。おれもヤマトパンクスよろしく7位でーす✌️って堂々と擦り続けられるメンタルがあれば良かったな。翌々日にはツイートを消してアカウントに鍵をかけた。
「バズり目的の嘘松」ってめちゃくちゃ言われてて呆れて笑っちゃったよ。みんなそんなに日常的にバズりたいと思って生きてるんですか?想像以上に嫌な思いするよ。せめてなけなしの承認欲求が満たされるとして、それと引き換えに背負うにはあまりに割に合わない心労がお前らを待っていますよ。

ツイ消しして、インターネットはクソ………って泣いて、なのにエゴサがやめられなくて、もうほんと2009年のツイッターに戻りたかった。あの時おれは14歳でスマホなんかなくて居間の家族共用パソコンに齧り付いて、「もう寝るね」というツイートについたおやすみリプに対して毎朝「おやありでした✩.*˚」って返してた。風呂に入ることをほかると言いこれからほかる人に対しては「ほかてら✋」とリプをし、推しが出ているテレビ番組をみんなで実況しながら観るのがなによりの楽しみだった。フォロー369人フォロワー241人、傷つくことなんてひとつもなかったあの頃。

今思えば攻撃的な言葉なんて全体の2割程度しかなかった。でもその2割が本当にキツかった。あんな記事書かなきゃ良かったって死ぬほど思った。
見なきゃいいのにYouTubeのコメント欄を遡る日々を送った。だいたい良いこと書かれてた、でも何件かに1件は誹謗中傷だった。
でもある日、コメント欄で誰かがアンチと戦ってくれているのを発見した。
あの女の承認欲求の為に使われた旦那が可哀想、みたいな内容のコメントに対して(可哀想かどうか決めるのは配偶者本人だろうが‼️‼️‼️せめて素直に自分が気に食わないだけだと言え‼️‼️‼️)、わたしがかつて前のアカウントでバズった時にもすぐに鍵をかけほどなくしてアカウントごと消したエピソードを語り、「彼女は繊細で優しい人です」と庇ってくれている誰かの言葉を見て涙が出た。
それからしばらくして札幌に帰省し、知り合って数年になるフォロワーの女の子とご飯に行った時にそんなことがあったんだよねとなんとなく話したら、彼女は少し恥ずかしそうに「あれ私なんです」と言った。彼女と初めて会った時のことを思い出した、その日わたしはバイト先のアクセサリーショップで嫌なことがあってタイムラインを荒らしてしまって、それを見た彼女はそれまで会ったこともなかったわたしを心配して店まで顔を見に来てくれたのだ。優しくて笑顔の可愛い大好きな女の子、わたしが結婚した時はピンク色の可愛いワンピースを「結婚祝いに」と贈ってくれた。

あたし、やっぱりインターネット君を嫌いになるなんて無理だょ............。そこがすすきのの中華料理屋じゃなかったら泣いてたな。

だいすき♡




先週末、札幌から神戸までサークルの後輩が遊びに来てくれた。
彼とは在学期間が被っておらず会ったこともなく、彼はわたしがサークルのOBだということを知らずにnoteのファンでいてくれた。わたしが卒業生だと他の子に聞かされた時は今年一デカい声が出たと言っていた。
会うより先にインターネットで繋がってしまったので、神戸に滞在してくれた2泊3日一度も彼の本名を呼ぶことなくバカマグロ農協という狂ったハンネで呼び続けてしまった。ごめんな。1人なのに農協ってどういうことなんだよ。

バカマグロ農協のツイッターのヘッダー
画像検索しても何も引っかからなかったんだけどこれ誰なの


2日目の夜に行った串カツ屋で、バマ農はわたしのnoteのどの記事が好きか、どれだけ影響を受けたかを語ってくれて、「僕は今ワンオクのTakaと飲んでるみたいなもんなんです‼️」と言った。いや、ワンオクの…………Taka……………❓❓❓
28年も生きてると誰かにとってのONE OK ROCKになる日も来るもんですね。いや来ないだろ普通は。
わけわからんけど嬉しかったし、彼はわたしの影響で好きになったというハヌマーンとバズマザーズのドラムをとても上手に叩いてくれた。
そんでそのドラムに合わせて歌うイカした声の男の子は、あたしがインターネットの海を泳いで手にした最強の一番星なのだ。憎めるわけ、ないよ。

小学4年生の時に友達の家で集まってみたおもしろフラッシュ倉庫、黒猫が走るアニメーションの曲を歌っていたあのバンドのことは28歳になった今でも大好きだし、猫のキャラクターが日本の県名を叫ぶアニメのあの人は思春期のあたしの神様でいてくれた。14歳の時に始めたSNSは最近名前が変わっちゃったけど今もずっと続けてる、そこで出会った大事な人がいっぱいいる。YouTubeでたまたま見つけた声の格好良い男の子は人生を共にしてくれることになった。

好きな服を着て外に繰り出し、陽の光を浴び、美しい景色を見る、風光明媚な音楽や言葉に触れる、そういうものだけでは救いきらない夜がいくつもある。眠れない夜にそばにいてくれるのはいつも連れてるカワウソのぬいぐるみとiPhone11proだけで、バカみたいだけど、事実だから仕方ない。



そういえば初めて義母に会った日、わたしたちの出会いがインターネットだということで不安に思わないか尋ねたら「私も若い時に好きなバンドのBBSで知り合った友達と今でも旅行に行ったりしてるから」と言われて衝撃を受けたのを思い出した。インターネット玄人すぎる。

馬鹿も鋏もインターネットも使いようだな、せめて優しい使い方を出来る大人でいたい、ずっとそうしたい。当たり前のことなんですけどねそんなの。おれ未だに許してないコメントいっぱいあるよ、お前らは旬な話題に突発的に触れただけでもう次の日には忘れてたかもしれないけど、おれの人生は今も続いてんだよ。
でも死んだら葬式で流して欲しいなと思ってる曲を作った人とか、大学4年の秋にコピーしたバンドのボーカルとかが褒めてくれたりした。そして名前も知らないどこかのあなたが忘れられないくらい嬉しいDMを送ってくれた。インターネットを憎まずにいられたのは皆々様のおかげです。愛している。

我が君はツアーのMCでもおれの話をしてくれました
本当に感謝している


あたしのこと嫌いな人も好きな人もちょっとずつしかいない世界があるなら全然そっちの方が穏やかで幸せなのかも。でももう逃げ出せないから愛してくしかない。
これからも一緒にフロム・ワールド・ワイド・ウェブしようね。じゃあまた。

P.S
↑この曲のMVいいです 刮目せよ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?