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【短編小話】欲望スパイラルの行き着く先は…



「わ、一番くじだ」
親友がそう呟いた。コンビニでよくある一番くじに「五等分の花嫁」のフィギュアが並べてあった。
親友︰これ最近NETFLIXで最近見たんだよね~、、超ハマってて、、、
運試しで買おうかな、、でもこういうのって当たらないって言うしなあ、、、
と分かりやすく頭を抱えていた。


彼は今まで一番くじをやったことがなく、一回ひくのに750円するのもあり躊躇していた。
悩み続ける彼に僕は言った。

︰人気作品の一番くじがあったのに、それをこれまでやらなかったんだよね。じゃあ、今の気持ちは本物だよ。
どうせ外れても何かしら貰えるじゃん。
やってみたら?

親友︰確かに!俺この作品好きだしな!!
お前の言う通りだわ!
やってみるわ!!!


その結果

親友︰・・・まじで当たったーーー!!!!
︰すげーーーー!!!!

嬉しさ反面、羨ましいという気持ちになった。しかし、彼が大好きな作品のくじが当たって喜ぶ姿を見たら、そういう卑しい気持ち
人は友人としていかんな、と思った。




一瞬の間があり、親友はこう言った。

親友︰うわ!高値で売れるやん!!! 


・・・

お前は二度とファンを名乗るな!!
あの感動を返せ!!!あの純粋な目はどこいった??


とは思った。(・・転売は良くないですよ、ふ、フィクションですので…)


彼は最寄りにあるBOOKOFFに売りに行った。
店舗では4500円で見積もりを出された。
︰750円が4500円になった!凄~。
親友︰・・・やっぱり売らないでもいいですか?
︰・・え?!!なんで?!!6倍だよ?
親友︰ネットでは最高額で8000円程で売れていた!俺も・・! 


30分前にいた、キラキラした目で一番くじを引いていた親友はいなくなっていた。
親友︰臨時収入だ、ぐへへへへへ そうと決まればメルカリに出品するぞ~~~~



30分後


僕︰あれ?そういえばフィギュアは?
親友︰・・・・・




親友︰あーーーーー!!!!!駐車場に置き忘れたーーーーーーーー!!!!

何とメルカリで売ろうと意気込むあまりフィギュアを駐車所に置き忘れたのだった。
急いで戻るも、元の場所にフィギュアはなかった。
彼は放心状態になっていた。白く燃え尽きていた。
︰まあ、元は750円じゃん?
親友︰・・・俺の8000円が・・・
彼は燃え尽きていた。


人間の欲の果てをみた。

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