宅地建物取引士証をゲットする

10月15日に実施された令和5年の宅建士試験、11月21日に合格発表があり、翌日11月22日に書留で合格証書が届きました。
勉強に数百時間を費やしたことを考えれば99%の道のりは攻略したわけですが、今回は残り1%に思いのほかコストと時間がかかりそう というお話です。

宅建士証がないと宅建士と名乗れない

運転免許証がないと車の運転ができないとの同様に、宅地建物取引士を名乗って業務に従事するには都道府県において①資格登録を受け②都道府県知事から宅建士証の交付を受けないとダメだそうです。宅建士の試験に合格しても、意外に道のりは長いというのが今回のメインテーマ。サラリーマン大家向けのnoteという認識ですので、実務経験がない前提でのフローを記載しますのでご参考にしていただければ幸いです。

まず、試験に受かる

なんといってもこれが一番の難関であることは変わりありません。令和5年度の試験は合格率17%だそうです。受験者は学生から実務経験豊富な不動産会社に勤務している方、司法書士などの上位資格受験者の腕試しなどいろいろな背景があるかと思いますが、全くの素人が勉強するには範囲も広く結構大変でした。結局トータル300時間ほど費やすことになりました。
ちょっとした高給取りで時給3,000円くらいだと思うと、この時点で100万円近い資源を投下した換算になります。

実務講習を受講する

不動産会社での勤務が2年以上ないと、実務講習を受講することになります。実務講習ですが、12時間の講義を受けてテストに合格しなければなりません。テストは持ち込み可で合格率は高いようですので、寝なければ合格できると聞いています。
受講料約20,000円の実費+2日間の休日まるまるを講義受講にあてる そして申し込みや日程調整の労力が必要です。

登録をする

実務講習を修了すると、登録をすることができます。登録なんて簡単じゃないかと思われそうですが、結構面倒な書類が必要です。
県によって微妙に違う可能性はありますが、概ね以下の通りです。

住民票
これは割と簡単に手に入りますね。マイナンバーカードがあればコンビニでも入手可
身分証明書
運転免許証のコピーとは次元が違います。ここでいう身分証明書とは、「本籍地の市区町村において発行されます。平成12年3月31日以前の禁治産者・準禁治産者(成年被後見人及び被保佐人とみなされる者)に該当しない旨、並びに破産者に該当しない旨の証明書です。」ということです。本籍地が現住所であれば簡単に手に入る可能性はありますが、遠いと郵送でのやり取りが必要となります。郵送費や手数料あわせ、1千円近い実費がかかります。
登記されていないことの証明書
全国の法務局・地方法務局の本局戸籍課窓口、又は東京法務局で発行されます。成年被後見人及び被保佐人でないことの証明書 とのことです。郵送で対応してくれるのは東京の法務局だけのようですので、これも郵送でのやり取りが必要となります。1千円近い実費がかかります。
登録申請料
こちらは高くてビビりました。千葉県の場合37千円かかります。つまり、①から③の書類+登録申請料で約4万円の費用がかかることに・・・。登録は一生有効なので高くはないかもしれませんが、登録にもそれなりにお金と手間がかかることが判明しました。

宅建士証の交付

登録と宅建士証の交付は全く別物です。登録に4万円と約1か月をかけてようやく登録が終わると今度は交付申請ができます。
交付申請は県庁ではなく不動産協会がやっていることが多いようです。
登録されたのちに交付申請ができます。
交付申請は4,500円と登録に比べるとリーズナブルです。

時間はかかりそう

11月21日に発表され、急ぎで法定講習を申し込んでも最短の講習が年明け1月4日から。自宅学習が1か月は必要という名目なのでそれは制度上必然です。
1月4日、5日で受講し、数日後に法定講習の受講証をゲットし、即日登録申請しても2月の上旬にようやく登録が終わるスケジュール。そして宅建士証の交付を受けるのは最短で2月下旬か3月の上旬でしょう。
不動産の賃貸仲介は2月から3月が繁忙期ですので、最短ルートで交付を受けても繁忙期に間に合うかどうか ということになります。
なお、上記身分証明書と登記されていないことの証明書は入手に時間がかかるケースもあるので、合格した際に12月中に入手するようにすればいいと思います。

合格後3か月+7万円近くかかる

合格すればゴールのように思えた宅建士でしたが、実は道半ばで3か月という期間と実費で7万円という費用が発生することがわかりました。
また、別の記事で触れていますが、宅建士を名乗ることと宅地建物取引業を営むことは全く別の話で、宅建業者に勤務していないと業務として宅建業を行えません。また、大家さんの中には仲介手数料を節約したい意図もあるかもしれませんが、結局宅建士でも宅建業者でない限り、売買取引においては一般人と同様にみなされるので仲介手数料は発生します。
つまり費用をかけても宅建士としての経済的な恩恵はありません。
それでも私自身は宅建士を名乗れるメリットは大きいので、これから7万円と3か月をかけて宅建士証の交付までこぎつけようと思っていますが、価値観は人それぞれ。宅建士証の交付を目指される方は上記の時間、実費のコストをご認識の上で交付に進まれるのがよろしいかと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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