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【THE UPDATE#3 イベントレポート】   ゲスト:飲食フリーランサー:柳田晃一郎さん&穴吹邸オーナー:穴吹英太郎さん

こんにちは!香川県さぬき市でまち宿AETEという民泊を運営している黒川です。

香川県出身であり大学で都市計画を専攻していたということもあり、前回に引き続き、株式会社HYAKUSHO様のまちづくりイベント(全6回)のイベントレポートをさせていただきます!🔥

これまでのイベントレポートはこちら↓

第1回

第2回



THE UPDATE!~サンポート高松の可能性を考える~とは?

サンポートエリアは開発から20年が経過し、近年再開発が計画されており、今後ますますの活性化が期待されています。同時に、社会全体の動きとしても、デジタル化への変革が強く求められており、20年経過した今、現在の潮流にあった新しいまちづくりのあり方が問われています。
そのような中、Setouchi-i-Baseの会員でもあり、全国で官民連携による都市再生・まちづくりのアドバイザーをしている湯川致光さんと、Setouchi-i-Baseコーディネーターの池嶋亮さんと小西真由さんが、様々な分野の有識者をゲストにお呼びし、サンポート高松の可能性について語り合う番組です。

ゲスト&MC紹介

ゲスト
■柳田晃一郎(やなぎだ こういちろう)
飲食業界のフリーランサーとして、お客様に究極までフォーカスしたテーブルメイキングで「おいしい、たのしい!」を届ける食の仕立て屋。2019年の瀬戸内国際芸術祭では、本島とタイの文化や食材を融合させたタイ風本島カレーと期間限定のカフェをプロデュースなどレストランやバー、ウェディングなどを舞台として、四国だけにとどまらず、大阪、京都、長野などコラボ多数。他、店舗立ち上げ経験もありのマルチプレイヤー。

■穴吹英太郎(あなぶき えいたろう)
有限会社INAKA TOURISM 代表
一棟貸し邸宅ホテル「穴吹邸」オーナー
高松市創造都市推進懇談会(U40) 会長
観光まちづくり組織 Next IRIAI Lab. 共同代表
1984年生まれ、香川県高松市出身。
中央大学を卒業後、住友林業株式会社へ入社。退職後、中国語習得のため単身上海へ。上海でのホテルマン、セブ島の語学学校スタッフを経て、2015年に高松へUターン。2016年、『高松を、日本を代表する旅の街へ』をスローガンに起業、インバウンド受入事業として「語学学校」と「宿泊施設」を展開。2020年6月、ラグジュアリーライン、一棟貸し宿泊施設「穴吹邸」をオープン。

MC
■湯川致光(ゆかわ よしあき) 
                     株式会社HYAKUSHO 代表取締役/パブリック・ディレクター
東北大学公共政策大学院修了(公共法政策修士)。立命館大学地域情報研究所研究員。神奈川県庁、香川県庁、高松空港株式会社を経て独立。県庁時代は、官民連携、ICT推進、マイナンバー事業に従事。高松空港時代は、広報・観光マーケティング、2次交通を担当。専門はPPP/PFI、官民連携、観光まちづくり、市民協働。丸亀市リノベーションまちづくり実行委員会委員長歴任。四国財務局、松山市等で講演。テキサスA&M大学(オンライン)、東洋大学、香川大学等で講義も担当。

■池嶋 亮(いけしま りょう)
Setouchi-i-Baseコーディネーター
1988年大阪生まれ。学生時代に米NYに留学し、イベント制作会社にてインターンを経験。帰国後、大阪駅前の大型商業施設にてイベント企画、プロモーション施策立案、大型都市開発プロジェクトなどに従事。2020年4月に独立し現在フリーランス。企業向け研修の企画、謎解きコンテンツの制作などを行う。同年11月より香川県のコワーキングスペースSetouchi-i-Baseコーディネーターとして、イベントの全体統括を務める。現在は大阪と香川の2拠点生活中。

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今回はSetouchi-i-Baseさんからお送りしています!(毎回機材が豪華です)

今回のイベントでは大きく分けて、

・これからの観光(宿泊&飲食)のあり方
・事業者目線の高松の可能性

の2つのテーマを切り口に、最前線で活動されている事業者の視点をもとに、サンポート高松エリアを深掘りしていきます。

これまでは、歴史や都市計画の話がメインだったので登場しなかったコロナによる影響や変化についても詳しく紐解いていきます。

コロナによる業界の変化はあったのか?

これからの高松を考える上で欠かすことのできない飲食・宿泊業界。コロナの影響を最も受けた業界だからこそのリアルな声を聞いていきます。

まず宿泊ですが、コロナ前の2019年といえば瀬戸内国際芸術祭の開催年でもあり、世界中から多くの観光客が訪れていました。特に高松は島を旅するための拠点としての需要が非常に高い状況だったそうです。

しかし、コロナ以降は海外・国内ともに旅行者が激減してしまいました。

そんな状況の中で起きた変化が「宿の目的地化」です。実は同じ県内でも、金比羅山周辺の温泉宿はコロナ禍でも一定数のお客さんが来ているそうです。

高松の宿が島を目的でその際に泊まる場所だったのに対し、それらの宿は宿自体が目的地となり、コロナ禍でもお客さんを獲得しているということです。

飲食に関しては、宿泊以上にダメージを受けていて、補助金などを活用してこれからに向けた種まきの時期に業界全体としてなっていると言います。

これまでもニーズとしてあったはずだが、可視化されていなかったものがコロナを通じて浮かび上がってきているというのが共通点としてありました。

これからの観光(宿泊&飲食)のあり方

さて、コロナ禍で大きく変わってしまった観光業界についてゲストのお二人とも、ソフト面での取り組みが足りていないと言います。ハードに関しては、高級路線なものから民泊やゲストハウスのようなリーズナブルなものまで、多様な形態があります。しかし、ソフト面ではお客さんのニーズに応えられていない領域があります。

例えば、高松を訪れた時に旅の目的や興味関心に合わせて、オススメのお店やスポットを紹介やアクティビティの予約などをしてもらおうとしても今は誰に頼めばいいかわからない状況です。

もし、高松のことを知り尽くした旅のコンシェルジュがいればオーダーメイドの最適化された旅を楽しむことができます。

イメージしやすい例で言うと、友達がいる地域に行く時に、地元民しか知らないおすすめのお店を教えてもらう感覚に近いかも知れません。

こう言った取り組みは海外では既にやられている取り組みで、島を中心に世界中から人が訪れる高松だからこそ、旅のワールドスタンダード化が求められています。

またデジタル化と言う観点では、デジタルだからすべて良いわけではないと言うのがポイントです。例えば、無人でオンラインチェックインにすることもできますが、出迎えてくれて旅の相談ができるという部分が抜け落ちてしまいます。

つまり、大切なのはこれまで無駄に時間がかかっていた部分をデジタルで効率化し、その浮いた時間でアナログでしか提供できないソフト面の体験を提供するということです。

これは他の業界においても共通の重要な視点ではないでしょうか。

高松に対して感じていること・可能性とは?

ここまでは観光のことについてまとめてきましたが、ここからは高松のまちづくりについて考えていきます。

THE UPDATE!の第1〜2回を通じて明らかになったことは、「海とどう共存していくか」でした。

高松が今後目指していくべき街として、ポルトガルのリスボンを例に出されていました。(魔女の宅急便のモチーフになったまちとも言われています。)

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町の人が海辺で夕日を見ながらワインを飲むという光景が広がっていて、日常の中に海がある生活を送っている人が多いそうです。

現状のサンポート高松でいうと、散歩をしている人はいるものの、もうワンステップ先に行くためには、まずは地元の人が海辺を楽しむことが重要で、それを見た観光客の人が「いいな」と感じで真似をすることで広がっていくのではないでしょうか。

なので、これからのサンポート高松エリアの開発において、町の人にどういう風に楽しんで欲しいという意図をきちんと持っていくことが求められているのかも知れません。

事業者が入ってくるためにまち側は何をすべきか?

このような想いを持った事業者がこれからの開発後のサンポート高松エリアに入ってくるために何が重要なのかも合わせて聞いていきました。

行政側は、まずは民間側に歩み寄り、こういった生の声を聞き計画に取り入れていくこと、逆に民間側は自社の利益ではなく町という単位の視点を持つことが重要になってくるのではないかという結論に至りました。

これからの開発は、町の住人にとっても事業者にとっても、大きな影響のある出来事です。だからこそ、その過程の段階から行政や民間の垣根を超えて意見を出し合うことで、高松で生きる人のための開発になることを期待しています。

今の時代にあった新しい町の評価軸

今回のイベントで印象的だったのは、「チル」「セクシー」といったなぜか心地いいという感覚をそれぞれの方が重要視されていたことです。

これまで町の評価というと、道路舗装率やオフィスや店舗の数などハードに偏ったものになっていると湯川さんは指摘していました。

その中で、不動産大手の民間事業者が「Sensuous City(官能都市)」というソフトの評価軸を出していることを紹介していました。

例えば、「ロマンスがあるか?」「食文化が豊かか?」などです。

https://www.homes.co.jp/souken/report/201509/               【参考:調査レポート】

このように、まちを評価する時にもっとソフト面での町の評価軸があっても良いのかも知れません。

おそらく、これを読んでくださっている人も、日常的にデートに行くならあのエリアとか、家族で出かけるならこのエリア、集中して本を読んだり仕事をしたいときはこのエリアというように、無意識のうちにソフト面でエリアを見ているのではないでしょうか?

高松という町をハード面ではなく、ソフト面の評価軸で捉え直すことがこれからのまちづくりのヒントになるのかも知れません。

「よくわからないけど惹かれるものをどう追求していくか」

この問いが、これから考えるべきテーマになっていくのではないでしょうか。

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ちなみに、かなり盛り上がっていたので放送終了後も話が止まりませんでした。

終わりに

今回はゲストが2人ということもあり、かなりイベントレポート時代も長くなってしまいましたが、無事に第3回も終えることができました!

毎月1回(全6回)でお送りしていくので今後も楽しみにしていてください!

次回は、寺西康博さんをお呼びして、新しいコミュニティという観点から高松の魅力を余すことなくトークしていきたいと思います!

■寺西康博
テラロック主宰、国家公務員。1985年、香川県生まれ。多様な人が意見を交わす交流会「テラロック」を主宰。地域の若手と挑んだ地方創生コンテストで2年連続日本一。地域資源の掛け合わせによる事業創出に取り組む。ニュースコメンテーターや情報誌の連載など、公務員として異例の挑戦を続ける。

10/28(木)の19:00~20:00に放送予定です!
イベントレポートを読んで興味を持ってくださった方に朗報です!
YouTubeで当日の配信を誰でも誰でも見ることができるので、チェックしてみてくださいね。

見逃した方はこちらをクリック↓

■リンク先

・Setouchi-i-Base(オープンイノベーション拠点) 

・株式会社HYAKUSHO(新しい公共をつくる会社)

まち宿AETE(香川県さぬき市津田町にある「まち宿」)

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