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買ったばかりのシーシャがなくなった 背伸びして買うようになったニコチンもタールも入ってないシャインマスカット味の甘いそれをあたしは大事に持っていた 常時吸ってるわけでもないのになければないですごく心許なくて、もし煙草なんて手に取ってしまえば、と怖気付いている。だからさ、知らないままでいいか
あたしの家からはよく飛行機の離着陸の音がして飛行機がすぐ近くに見えるんだ。窓を見るたびどこへでも行ける気がして、外に繋がっているのは小さい時からの憧れだった。ちょっとだけ自由に飛び回れるように今でもずっと。どこまでも連れていってくれる、そんなどこまでもなんて言う癖に行きたいところなんて決まりきっていて、知らないふりしないでよ はやく向き合いなよ
さよならダーリン、うるせ、あたしの本当の部分は見せられないみたい、でも本当ってなに?嘘で嘘で嘘で固めて、それなのにあたしを見てよと思ってるくせに きみが幸せになってくのを見ているのが苦しくてSNSをやめたくなった。一瞬を切り取っただけのインスタグラムで画面の向こうの気持ちなんて分かった気になれないのに あたしはかつて好きだった人たちの存在がなくなっていく感覚がすこし怖かった でもそれにも慣れてしまって、たくさんのものを手放したようだよ、ねえそういえばきみはかわいい女の子だったね、伝えられなかったけど どうか届きませんように あたしたちの青春はお昼休みの教室に置いてきちゃったままだね
誰よりも女の子にしがみついてて、ああ、その部分に触れられるとつねに弱くて、かなりだめになってしまった 忘れないような傷をつけるのはあなただったのかも、バレたらやばいね、ずっと悪いことしてるみたいだね、もう一緒にだめになっちゃおうよ、どうせ終わってるんだからまた始めちゃえばいいじゃん、あたしを手放さないでいるならその分愛してあげるしかわいいあの子を演じてあげるよ、それじゃだめかな

残されてる時間なんてないんだ、と、春を待っている

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