【第104回薬剤師国家試験】副腎の腫大=??

どーも、病院薬剤師のひゃくさんです

さてさて、前回に引き続き第104回薬剤師国家試験の問題からです。

問題を解いていない人は、ネタバレになるので先に解いてから見てください~

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前回の問題でも両側副腎の腫大がありましたが、今回もありますね。病態の問題の嫌なところで、一つの症状だけで見ても問題は解けません。いくつかの症状を見て、どの病態なのかを予想しないといけないのです。

今回は甲状腺ホルモン値、カテコールアミン値、ACTH値に異常はありません。副腎の腫大は前回のクッシング病、褐色細胞腫、アルドステロン症等で起きますが、カテコールアミン値、ACTH値に異常がないためクッシング病と褐色細胞腫が除外されます。上記の3つの病態は高血圧症状があるという共通点を覚えておきましょう。

副腎が腫大しているという情報だけではどの病態なのか分からないということですね。

上記の2つが除外されたことと血清カリウム値が低下していることを踏まえると、アルドステロン症であることが分かります。

ここからは選択肢から治療薬を選んでいくわけですが、近年の薬剤師国家試験ははっきりと答えが選択できない問題が多くなっています。なので、消去法を積極的に使っていきましょう。

この消去法ですが、日頃の勉強の時からしっかり根拠を持って消去できる練習をしていくことが大事になってくるので、毎日の勉強でどんどん消去していきましょう!

アルドステロン症というところまで分かれば、抗アルドステロン薬のスピロノラクトンを選択することができます。まぁ、スピロノラクトンに関しては「カリウム保持性利尿薬」なので病態名まで分からなくても高血圧で低カリウムになっているので選択できるかもしれません。

では残りの問題を消去です。選択肢1のプレドニゾロンですが前回のnoteで書いたように副作用に高血圧があります。

今回の病態では高血圧が起きているので、選択肢から外していいでしょう。添付文書にも原則禁忌(原則禁忌という項目は今後なくなります)の欄に高血圧の患者が書かれてありますので薬剤師の皆さんも注意が必要です。

次に3のフロセミド。これは低カリウムになっているので、これも外して構いません。フロセミドなどのループ利尿薬やチアジド系利尿薬の代表的な副作用に低カリウムがありますからね。これ以上カリウム値を下げてしまうことになります。

余談ですが病院で働いていると、電解質異常の患者さんをよく見かけます。その中でもフロセミドを服用している患者さんが低カリウムになっているということがちょくちょくあるので注意してみていきたいですね。

最後に5のニトログリセリンですが、適応は狭心症です。今回の症例では狭心症になっていないのでこれも消去でいいでしょう。(これも血圧を下げますが・・・)

この様に消去法でアムロジピンが残りましたね。アムロジピンに関しては積極的に消去できる要素もないのでこれを選択していきましょう。

実際に青本にもアルドステロン症にアムロジピンを使うなんて記載ありませんでしたし(今はわかりません)、アムロジピンを絶対にこれだ!と選択出来た人は多くないと思います。

ちなみにアルドステロン症の症状とスピロノラクトンの主作用、副作用は逆のことが起きているんだと関連付けていくと覚えやすいです。

また、今回は副腎の病態でしたが、副腎には皮質や髄質があること、皮質はさらに3つの層からなること、副腎ホルモンはそれぞれどこからでているのかを生物で復習するとグッドです。

このように病態の領域を勉強するときでも、生物の知識を思い出していくとさらに定着していきますよ♪

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